コラム from Sweden
12ヶ月のおいしい話

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
スウェーデン料理のレシピ。

第102回
Falukorvsgratäng (ファールコルブスグラテン)ファールコルブのグラタン


かつて、スウェーデンのダーラナ地方の鉱山では、ロープの材料として牛や馬の皮が使用され、その副産物である肉を塩漬けや燻製にして保存していたそうです。
1800年代にダーラナ地方に移住したドイツ人労働者が、もう一つの保存法としてスモークした牛肉のソーセージの作り方を伝授したのが「Falukorv(ファールコルブ)」の始まりだといわれています。

そのソーセージは、後にストックホルムにも流通し、「ファールン(ダーラナ地方の一部)のコルブ(ソーセージ)」と呼ばれたことから、この名前が付きました。
1Kg近くもあるファールコルブは大きな馬の蹄のような形が特徴で、全体に切り目を入れて、その間にトマトとチーズを挟んでオーブンで焼く料理「Falukorv i ugn(ファールコルブ・イ・ウグン)」は、70 年代を代表する家庭料理のひとつです。
円形に整えた形が特徴で、来客時にも人気の料理だったようです。
ファールコルブは、お馴染みのピッティパンナやコルブストロガノフに使われるなど、レシピは数えきれないほどあり、スウェーデンで最も食べられているソーセージです。
「ファールコルブのオーブン焼き」は本来マッシュポテトと一緒に食べるのですが、今回は少しアレンジしてスライスしたジャガイモとズッキーニを挟んだグラタンに仕上げました。残念ながら日本ではファールコルブが手に入らないので、一番近い味のボローニャソーセージで作ってみました。
オーブンで焼いている間にサラダを準備したら、ワンプレートディナーの出来上がりです!

【材料】 3~4人分

ボローニャソーセージ 270g~300g
ズッキーニ 大 1 本 280g
じゃがいも 中 3 個 350g
トマト 中 2~3 個 200g
a)生クリーム 200ml
a)ニンニク 1 片
a)ハインツなど辛めのマスタード 大さじ 1
a)ディジョンマスタード 大さじ 1
a)塩 小さじ 1/2
a)コショウ 少々
ピザ用チーズ 100ml(1/2カップ)
パルメザンチーズ 100ml(1/2カップ)

【準備】
オーブンを 220 度に予熱する。
グラタン皿にバター(分量外)を塗っておく。

作り方

1.
じゃがいもはタワシなどで洗ってから、ビニール袋に入れて結び、爪楊枝で数カ所穴をあける。 電子レンジ500wで 2~3 分で少し固めに加熱しておく。
2.
ボローニャソーセージとズッキーニ、トマトは 1cm くらいの厚さにスライスする。
3.
①のじゃがいもの皮をむき、1cm くらいの厚さにスライスする。
4.
バターを塗ったグラタン皿にスライスしたボローニャソーセージ、じゃがいも、ズッキーニ、トマトを交互にかさねるように並べる。
5.
a)の材料を混ぜ合わせたら、④の上から流し入れ、チーズをまんべんなくふりかけて、220 度のオーブンで 30~40 分焼く。

*写真は詰めて並べていますが、大きな耐熱皿で少しずつずらして配置したり、円形や楕円形の容器の形に沿って並べてもいいですね。
個別に一人用のグラタン皿で作るとちょっとしたご馳走風に仕上がります。

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
奈良県出身。パレットクラブイラストスクール1期生。
デザイン事務所勤務を経てフリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。
1995年より通算13年間スウェーデンに在住、2013年に帰国。
帰国後はスウェーデン料理のケータリング事業を始める。
Fika(スウェーデンのコーヒータイム)のワークショップをとおして北欧文化を発信中。
https://www.riekomise.com/
https://www.instagram.com/spisen_jp/