コラム from Sweden
12ヶ月のおいしい話

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
スウェーデン料理のレシピ。

第118回
Kåldolmar(コールドルマル) ロールキャベツ


家庭料理のひとつとして日本でも人気の「ロールキャベツ」。スウェーデンでは「Kåldolmar(コールドルマル)」と呼ばれています。
「Kål/コール」はスウェーデン語でキャベツのこと、「dolma/ドルマ」はトルコ語で詰め物を表し、肉や米などをぶどうの葉に包んで煮込んだトルコ料理としても知られています。
スウェーデンが東ヨーロッパに遠征した1700年代、当時の国王カール12世がオスマン帝国から持ち帰ったレシピだと言われており、ぶどうの葉が手に入らない北欧の国では、代わりにキャベツを使って作ったことからコールドルマルという料理が誕生しました。

オスマン帝国から世界中に広がったロールキャベツは、それぞれの国で独自に変化し、家庭料理のひとつとなりました。現在では、国だけでなく家庭によってもさまざまな味で親しまれていますね。一般的には煮込んで作るレシピが多いようですが、スウェーデンではオーブンで焼いて作ります。また、タネが柔らかくなるように、巻き込む具にご飯を混ぜるのが伝統的なレシピです。今回はこの伝統的なレシピでスウェーデン風ロールキャベツ「コールドルマル」を作ってみました!

[材料]4人分

キャベツの葉 8枚 (外側の葉を使います)
合い挽き肉 300g
玉ねぎ 小1個
卵 1個
バター 大さじ2~3
ご飯 60g
牛乳 100ml
ナツメグ 少々
塩 小さじ1
コショウ 少々

アガベシロップ 大さじ2 *モラセスorきび砂糖(大さじ1)とはちみつ(大さじ1)で代用可
ブイヨン(お湯で溶いたもの) 400ml
醤油 大さじ2

【ソース用】
ロールキャベツを焼いた後に残った煮汁
生クリーム 100ml
片栗粉 小さじ1
水 小さじ1

【トッピング】
冷凍のリンゴンベリー
イタリアンパセリ

作り方

1.
キャベツの芯の部分に切り込みを入れ、蛇口から水を注ぎながらそっと1枚ずつ剥がしていく。
2.
鍋に塩少々を入れた水を入れ沸騰させたら①のキャベツを入れてさっと茹で、取り出して冷ましておく。
3.
玉ねぎをみじん切りにする。②のキャベツの芯の部分を削ぎ切りにしてみじん切りにする。
4.
③の玉ねぎを色がつくまでバターでよく炒め、キャベツの芯も入れて炒めたら、バットにとり冷ましておく。
5.
ボウルに合い挽き肉、④の玉ねぎとキャベツの芯、卵、ご飯、牛乳、ナツメグ、塩、コショウをいれてよく混ぜ合わせ、タネをつくる。できあがったタネは、8等分にしておく。
6.
②のキャベツを1枚ずつ広げ、⑤のタネをキャベツの葉の真ん中より少し手前のほうに置いて箱を包むように巻く。巻き終わりを下にして耐熱容器にならべる。
7.
⑥の巻き上がったキャベツの上にバター少々をのせて180~200度のオーブンに入れ、キャベツに焼き色がつくまで30分程焼く。
*この間に付け合わせのじゃがいもを茹でる。
8.
400mlのお湯で溶いたブイヨン、アガベシロップ、醤油を混ぜたスープを⑦のキャベツの上からかけて、さらに15分焼く。
9.
⑧をオーブンから出し、ロールキャベツを取り出して皿に盛り付ける。
10.
残った煮汁を鍋に入れ、生クリームを加えて少し煮詰める。とろみが少ないようなら、様子をみながら同量の水で溶いた片栗粉を少しずつ入れ、とろみをつける。
11.
⑨の皿のロールキャベツの横に茹でたポテトを添え、ソースをかけてリンゴンベリーを全体にちりばめる。ない場合は甘みの少ないクランベリーかリンゴンベリーのジャムを添える。
12.
イタリアンパセリを添えてサーブする。

*写真の付け合わせのポテトは、茹でたじゃがいもを専用のポテトプレス(IKEA製)でプレスしたもの。
*スウェーデンには主に3種類のキャベツがあり、最も一般的なのがVitkål/ビートコールという白い硬い葉のキャベツです。その他には日本のキャベツに似た柔らかい葉でとんがった形のSpetskål/スペッツコールと、葉っぱが縮緬状になったSavoj kål /サボイコールというのがあります。味はそれぞれ少し違いますが、日本でも手に入るものがあるので、いろいろ試してみても良いですね!

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by Sweden House
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見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
奈良県出身。パレットクラブイラストスクール1期生。
デザイン事務所勤務を経てフリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。
1995年より通算13年間スウェーデンに在住、2013年に帰国。
帰国後はスウェーデン料理のケータリング事業を始める。
Fika(スウェーデンのコーヒータイム)のワークショップをとおして北欧文化を発信中。
https://www.riekomise.com/
https://www.instagram.com/spisen_jp/