コラム from Sweden
12ヶ月のおいしい話

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
スウェーデン料理のレシピ。

第98回
Marängtårta i glas (マレングトータ・イ・グラース)
メレンゲのカップ・イン・ケーキ

「Marängtårtaマレングトータ」とはメレンゲをベースにしたケーキです。一般的に「Pavlova(パヴロヴァ)」と呼ばれており、ホイップクリームを詰め、フルーツやベリーを飾って作ります。スウェーデンでは、採れたてのベリーをふんだんに使った夏の代表的なケーキとして広く親しまれています。ケーキのベースになるメレンゲは、平たく円形に焼かれたものがスーパーで売られていて、家庭でも簡単に作れることから、人気があるのも頷けます。

メレンゲをベースにしたこのケーキの発祥地は、オーストラリアともニュージーランドとも言われていましたが、近年、どうやらアメリカに移住したヨーロッパ人が作ったのが始まりだと判明したそうです。
1920年代の有名なロシアのバレリーナ「アンナ・パヴロヴァ」の名前に由来したこのケーキは、彼女が活躍した当時から数多くあったそうで、このケーキもそのひとつです。ただ、ニュージーランドで初めて「パヴロヴァケーキ」と名付けられたものは、今のようなメレンゲタイプではなく、ゼリーを何層にも重ね、チュチュに似せたデザインのケーキだったとか。その後パヴロヴァケーキがどのようにして今のような形に変化したのかは不明ですが、アメリカのコーンスターチの会社が、世界に向けて輸出した箱にメレンゲケーキのレシピを載せたことから、この「パヴロヴァケーキ」は世界中に普及したようです。おそらくスウェーデンにもそういう経路で入ってきたのでしょう。
南半球に位置するオーストラリアやニュージーランドでは、真夏のクリスマスに食べるケーキとしても有名だそうです。どちらにしても、暑い時期にぴったりのケーキということですね。

折しも我が家の冷凍庫には、卵白がたくさんあったので、久しぶりにマレングトータを作ることにしました。今回は、一人ずつのポーションでいただけるパフェのようにアレンジしてあります。
パヴロヴァケーキのレシピにはコーンスターチが入っているのですが、今回はスウェーデンでよくあるレシピに従って、粉砂糖を使いました。粉砂糖にはコーンスターチや片栗粉が入っているものが多いので、あえてそちらを使用しています。

[材料]6~8人分

【ベースのメレンゲ】
・卵白・・・・3個分(約90g)
・グラニュー糖・・・90g
・レモン果汁・・・小さじ1/3 (酢で代用可)
・粉砂糖・・・60g

【トッピング】お好みの量で
・レモンカード
・生クリーム(ホイップ)
・アーモンドスライス
・ベリーやフルーツ
・ミントの葉っぱ

作り方

1.
オーブンを100度で予熱する。
2.
大きめのボウルに卵白を入れて、電動泡立て器で少しもったりとするまで泡立てたら、グラニュー糖の半量とレモン汁をいれて、さらに2分ほど泡立てる。
3.
残りのグラニュー糖も入れ、高速で4分ほどしっかり角が立つまで泡立てる。(ボウルを逆さにしても落ちてこない硬さが目安)
4.
粉砂糖を振るいながら全体に回しかけて、泡をつぶさないようにヘラで全体をサクっと混ぜる。
5.
オーブンの角皿にクッキングシートを敷き、④のメレンゲの生地を広げて、2.5~ 3cmくらいの厚さに平たく伸ばす。
6.
100度のオーブンの下段に入れて1時間~1時間半焼く。時々オーブンを開けて少し温度を下げながら焼くと焼き色がつかず、水分も飛ばせます。75度に設定できる場合はそのまま1時間半焼いてください。
7.
メレンゲの表面を指で触るとカチッとするくらい焼けていればOK、まだ柔らかいようなら時間を延長して焼く。焼き上がったら、そのままオーブンの中で冷ます。
8.
冷めたメレンゲを取り出して、手で大きめに割る。(外はカリカリですが、中心部が少しモチモチした感じになります)
9.
盛り付けるグラスの底に手で割ったメレンゲを入れて、その上にレモンカードをかけてから、8分立てにしたホイップクリームをのせ、フルーツやベリーをトッピングする。オーブンで少し焼いたスライスアーモンドを散らし、ミントの葉っぱを飾る。

スプーンでメレンゲを潰して混ぜながらいただくといいでしょう。
暑い夏は冷蔵庫で少し冷やすと、さらに爽やかさが増します。

*オーブンによって焼き上がりが違ってくるので、調整してください。
*メレンゲを小さく焼き、トッピングの順番を変えて一番上にのせても良い。

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
見瀬理恵子(イラストレーター)
大阪総合デザイナー学院ファッションデザイン科卒。ペーター佐藤、安西水丸、原田治、新谷雅弘氏に師事。デザイン事務所勤務を経て、フリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。1995年ー2000年と2006年から7年間スウェーデンに在住し、娘二人の成人を期に2013年9月に帰国。