コラム from Sweden
12ヶ月のおいしい話

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
スウェーデン料理のレシピ。

第46回
Dillkott(ディルショット)
ディル風味の煮込み肉

「ふーふー」いいながら鍋を囲む団欒は日本の冬の風物詩ですね。ところが日本より遥かに寒いスウェーデンには、ほっこりと身体を温めてくれる特別な食べものはありません。
ここ数年、ニューヨークを皮切りに世界中でラーメンがブームになっていますが、スウェーデンでも新しいラーメン屋の開店は後を絶ちません。しかしそのラーメンですが、味はともかくスープがぬるく、日本人にはやや不評だとか…。
そもそもスウェーデンでは熱々のものを食べる習慣がなく、ズルズルと音をたてて食べる事にも慣れていないからなのでしょう。
1年をとおして室内が一定の温度で保たれる今のスウェーデンでは、食卓に季節感がなくても仕方がないと思いますが、遠い昔は少し違っていました。当時はキッチンに備え付けられた鉄製のストーブに薪をくべ調理用コンロと暖房器具をかねていたようです。ストーブにかけた鍋でスープやシチューなどの煮込み料理を作り、家族みんなが暖かいキッチンで寝ていたそうです。
昔から食べられていたポトフや煮込み料理はバリエーションも豊富で、秋から冬にかけていただくお料理といえるでしょう。
その中のひとつ、北欧の代表的ハーブ「ディル」をたっぷり使った甘酸っぱい味が特徴の肉料理、「Dillkott(ディルショット)」をご紹介しましょう。
スウェーデンでは、この伝統的な家庭料理に茹でたてのジャガイモを添えて頂きますが、ご飯にも合うお料理です。
*kott(ショット)とはスウェーデン語で「お肉」の意味

材料(4人分)

・子牛肉またはラム肉 ・・700g *ない場合は豚肉で代用可。
・玉ねぎ・・・・・・・・・2個
・人参・・・・・・・・・・2本
・ローリエ・・・・・・・・2~3枚
・セロリ・・・・・・・・・1~2本(葉の部分も)
・フレッシュタイム・・・・一束(ない場合は乾燥タイム小さじ1/2)
・ディルの茎の部分・・・・4房程度
・ホワイトペッパー粒・・・10粒
・塩・・・・・・・・・・・小さじ1
・水・・・・・・・・・・・1000cc程度

【ディルソース】
・バター・・・・・・・・・大さじ1
・小麦粉・・・・・・・・・大さじ1
・肉を煮たスープ・・・・・500~600cc
・ブイヨン・・・・・・・・1~2個(適宜)
・生クリーム・・・・・・・200cc
・酢・・・・・・・・・・・大さじ1~2
・砂糖・・・・・・・・・・大さじ2~3
・ディルの葉・・・・・・・4房程度
・コショウ・・・・・・・・適宜

【付け合わせ】
・ジャガイモ・・・・・・・4~6個
・好みの野菜・・・・・・・適宜

Dillkott(ディルショット) ディル風味の煮込み肉

作り方

1.
肉を2cm角ぐらい、人参と玉ねぎは皮を剥き大きめの乱切り、セロリは3cmぐらいの大きさにカットする。
2.
ディルは茎から葉の部分を取り別々にしておく。
3.
鍋にカットした肉を入れて、肉が隠れる程度の水を注いだら火にかけ、沸騰したら肉を取り出して、お湯を捨てる。
4.
鍋を洗い、取り出した肉と人参、玉ねぎ、セロリを入れて、材料がかくれるまで水を注ぐ。塩、ローリエ、タイム、ディルの茎、ホワイトペッパーの粒を入れて、アクを取りながら肉が柔らかくなるまで1時間半ほど煮る。肉と人参を取り出したら、残りはザルでこしてスープを取っておく。
5.
別の鍋でバターを溶かし、小麦粉を入れてペースト状にする。
6.
⑤に④でとっておいたスープを少しずつ入れながら、溶くように混ぜる。ダマがなくなったら、生クリームを入れて混ぜる。少しとろっとした感じに仕上がればOK。
7.
⑥にお酢大さじ1と砂糖大さじ2を入れ、味を見てお好みでお酢と砂糖、コショウを加えながら味を整える。味が薄ければ固形ブイヨンで調整する。
8.
味が整ったらディルの葉を入れる。
9.
付け合わせのジャガイモと野菜をさっと茹でておく。
10.
⑧のソースに取り出した肉と人参を入れ、付け合わせの野菜も入れて温める。
11.
皿に盛りつけ、ディルの葉を飾る。

*ジャガイモはソースの中に入れず、茹でたてを横に添えてもよい。
*付け合わせの野菜に芽キャベツを使用していますが、長ネギやインゲンマメなど冷蔵庫にあるものでOK。

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by Sweden House
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見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
ライター:見瀬理恵子(イラストレーター)
大阪総合デザイナー学院ファッションデザイン科卒。ペーター佐藤、安西水丸、原田治、新谷雅弘氏に師事。デザイン事務所勤務を経て、フリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。1995年ー2000年と2006年から7年間スウェーデンに在住し、娘二人の成人を期に2013年9月に帰国。