コラム from Sweden
12ヶ月のおいしい話

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
スウェーデン料理のレシピ。

第70回
Kalops(カロップス)
スウェーデン風牛肉煮込み

Kalops(カロップス)スウェーデン風牛肉煮込み

簡単にできて、大勢が集まっても対応できるオーブン料理や煮込み料理はスウェーデンでは人気のメニューです。
日本でも、寒い冬には心までほっこりする定番料理ですね。
スウェーデンの煮込み料理には、代表的なものに「köttgryta(ショットグリュータ)」と「Kalops(カロップス)」の2種類があります。
「ショットグリュータ」のköttは肉、grytaは煮込み用の鍋のことを言い、その名の通り「肉の煮込み料理」です。牛肉だけでなく豚肉やジビエなどでも作りますが、お肉と一緒に数種類の根菜とポロネギなどの野菜もたくさん入っていて、さらに生クリームでコクを出すというレシピもあります。
一方、カロップスとは、英語の「スライスしたお肉」という意味で、語源を遡ると古代のスウェーデン語なのだとか!
1755年に出版されたカイサ・ヴァリのクックブックで初めて紹介された、かなり昔からあった家庭料理のようで、食材は「牛肉」・「玉ねぎ」・「人参」だけという、とてもシンプルな味付けの煮込み料理です。
伝統的なスウェーデン料理はあまり多くのスパイスを使用せず、ほとんどがブラックペッパー、ホワイトッペッパー、クリュッドペッパー(オールスパイス)などのペッパー類と塩だけで味付けします。クリュッドペッパー(オールスパイス)はおなじみのミートボールにも使われ、スウェーデン料理らしい風味を出す時に欠かせないスパイスのひとつです。
付け合わせに、茹でたてのジャガイモと酢漬けのレッドビーツを添えるところも、スウェーデン料理の王道といえるでしょう。
今回は、伝統的な「カロップス」のレシピに少しアレンジを加えてご紹介しましょう!
調理法はいたってシンプルな分、長時間煮込むという手間がかかりますが、片付けをしながらのんびり調理するか、圧力鍋を使って時短で調理すると良いでしょう。

材料(4人分)

・シチュー用の牛肉・・・1kg
・玉ねぎ・・・大2個
・人参・・・大2本
・バター・・・大さじ1
・サラダ油・・・大さじ1
・小麦粉・・・大さじ1/2
・オールスパイス・・・(ホールで)12粒
・フォンドボー・・・50ml
・水・・・1000ml程度
・野菜のブイヨン・・・1個
・ベイリーフ・・・2枚
・醤油・・・少々
・黒カシスのジャム・・・大さじ1
・塩・・・適量
・コショウ・・・適量
【付け合わせ】
・ジャガイモ・・・4個程度
・レッドビーツの酢漬け
・パセリ(飾り用)

Kalops(カロップス)スウェーデン風牛肉煮込み

作り方

1.
シチュー用の牛肉を3~4cm角の大きさにカットして、塩コショウしておく。
2.
人参1本は皮をむき2cm厚の輪切り、もう1本は乱切りにする。玉ねぎは2cmくらいのくし切りにする。
3.
煮込み用の深鍋にバター大さじ1とサラダ油大さじ1を入れて熱し、1)の肉を入れて表面に均等に焦げ目をつけたら、2)の輪切りにした人参1本と玉ねぎも加えて炒める。
4.
小麦粉を茶こしなどでふるいながら、材料に絡めるようにふりかけて炒める。
5.
材料がかくれるくらいの量(約700~1000ml程度)の水を注ぎ、フォンドボーと野菜のブイヨン、ベイリーフ2枚とオールスパイス(ホール)12粒を入れ沸騰するまで強火で煮込む。
6.
沸騰したら、灰汁を取り除き弱火にして、黒カシスジャムを大さじ1と醤油少々を入れて1時間半ほど煮込む。小麦粉が入っているので、底に焦げ付かないよう時々鍋の底をこそげるようにしてまぜ、水分が少なくなってきたら水を足しながら、肉が柔らかくなるまで2時間程煮る。 ※煮込んでいる間に、付け合わせ用のジャガイモの皮をむき、2~4等分にしてたっぷりのお湯で茹でておく。
7.
人参の形がなくなってきたら、残りの乱切りにした人参1本を鍋に入れて、柔らかくなるまで煮込む。
8.
最後に塩コショウで味を整える。
9.
少し深めの皿に煮込んだシチューを盛り付け、ゆでたてのジャガイモと酢漬けのレッドビーツを添えてパセリを飾りサーブする。

Smaklig måltid!!!
(スモークリグ モールティード!)
「どうぞ召し上がれ」という意味のスウェーデン語です。

レッドビーツの酢漬けについてはこちらをご覧ください。
https://mjuk.swedenhouse.co.jp/recipe/recipe_1509/

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by Sweden House
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見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
ライター:見瀬理恵子(イラストレーター)
大阪総合デザイナー学院ファッションデザイン科卒。ペーター佐藤、安西水丸、原田治、新谷雅弘氏に師事。デザイン事務所勤務を経て、フリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。1995年ー2000年と2006年から7年間スウェーデンに在住し、娘二人の成人を期に2013年9月に帰国。