コラム from Sweden
12ヶ月のおいしい話

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
スウェーデン料理のレシピ。

第110回
Budapestrulle(ブダペストルッレ) ブダペストロールケーキ

今回ご紹介する「Budapestrulle(ブダペストルッレ)」は、1969年にスウェーデン南部地方Vetland(ヴェートランド)で誕生したケーキで、「Budapestlängd(ブダペストレングド)」 や 「Budapestbakelse(ブダペストバーケルセ)」とも呼ばれています。

このケーキの発案者イングヴァール・ストリードが、ハンガリーの首都ブダペストに思いを寄せて命名したと言われていますが、アーモンドとバタークリームを使ったブダペストのケーキ「エスターハージートルテ」からインスピレーションを得たのではないかという説もあり、名前の由来は確かではないようです。

スウェーデンで発売した当初のブダペストルッレにはバタークリームが使われていましたが、ボリュームを出すためホイップクリームに変えたところ、大人気になったとか。
もちろんイングヴァール・ストリードの出身地Vetland(ヴェートランド)では、住民に愛され続けているケーキで、ヴェートランドコミューンの人口が27,000人に達した日に、それを記念して27メートルものブダペストルッレを作りお祝いしたそうです。
今では5月1日が「ブダペストルッレの記念日」に登録され、全国でお祝いされます。

ブダペストルッレが登場した1960年代はスウェーデンの女性が社会に進出しだした頃。
それまで専業主婦であった女性たちが忙しくなったことで、デザートには簡単に作れるものが重宝され、ホイップクリームを添えるだけで簡単なデザートになる缶詰のフルーツは特に人気がありました。缶詰のミカンを使用して作るブダペストルッレのオリジナルレシピには、そういう背景があったことがうかがえます。
現在はフレッシュフルーツが簡単に買えるようになり、アレンジしたレシピも多く、夏はベリーをふんだんに使ったレシピがとりわけ人気です。

今回はベリーに加え、先日スーパーで見つけた北海道産のルバーブも使ってみました!

ブダペストバーケルセ好きが作ったフェイスブックのグループページ
https://www.facebook.com/Budapestbakelse/

[材料]ロールケーキ1台分 (約∅8cm x 30cm)

(メレンゲケーキ部分)
卵白 4個分
グラニュー糖 60g
a)へーゼルナッツパウダー 50g
*今回はヘーゼルナッツをフードプロセッサーで粉状にしました。
a)片栗粉 大さじ2
a)グラニュー糖 60g

(フィリング)
生クリーム 400ml
お好みのフルーツやベリー 適量

(トッピング)
チョコレート 50g程度
フルーツやベリー 適量
粉砂糖 適量

【準備】
・オーブンの天板にクッキングシートを敷く。
・オーブンを180度に予熱しておく。
・絞り袋を準備する(絞り口が円形(∅ 8~10mm)の口金があれば装着しておく)。

作り方

1.
卵白をもったりするまで泡立ててからグラニュー糖を数回に分けて加え、ボウルを逆さにしても落ちてこない程度に角が立つまで泡立てる。
2.
a)の材料を塊がなくなるまでボウルでよく混ぜ合わせてから①に加えて、空気をつぶさないようゴムベラでさっくりと混ぜる。
3.
準備した絞り袋に②を詰めて袋の先をカット(∅ 8~10mm)し、天板の長い辺に並行にクッキングシートの上に絞り出していく。
4.
180度のオーブンの中段で少し焼き色がつく程度に15~20分ほど焼く。
5.
焼き上がったら、クッキングシートのまま網の上に取り出し冷ます。
6.
【フィリングを準備する】
ボウルに生クリームを入れてしっかりと泡立てる。(泡立てが足りないと、形が崩れやすくなるので注意)
7.
中に詰めるフルーツを適当な大きさ(1.5cm程度)にカットする。
8.
⑤にクッキングシートをかぶせて上下を裏返にしたら、上になったクッキングシート(焼いた生地についている部分)をゆっくり剥がす。
9.
⑧の全体に⑥のホイップクリームを塗り(トッピングで使いたい場合は少し残しておく)、カットしたフルーツやベリーを散らす。 *写真のものはルバーブのコンポートを加えています。
10.
下に敷いたクッキングシートを使って海苔巻きの要領で巻き、最後は包み込むようにしてしばらくおいて形を整える。
11.
⑩の形が整ったら粉砂糖を振りかける。
12.
チョコレートを湯煎か電子レンジで溶かして別の絞り袋に入れ、小さく先をカットしてロールケーキの上から無造作に線を描くように絞り出して模様をつけ、ホイップクリームやフルーツを飾る。

*おまけのレシピ*
[ルバーブのコンポート]
(材料)
ルバーブ 300g
グラニュー糖 150g
レモン汁 大さじ1

① ルバーブを綺麗に洗い、2~3cmにカットする。
② 鍋に全ての材料を入れて、ルバーブが柔らかくなるまでアクをすくいながら10分ほど煮る。
*形が崩れやすいので、飾りに使いたい場合は早めに火を止める。

*ヘーゼルナッツパウダーの代わりにアーモンドパウダーを使用してもよい。
*ナッツの生地にココアパウダーを加えて少し色のついたケーキに仕上げ、溶かしたホワイトチョコでデコレーションしてもいいですね。
*トッピングはお好みのフルーツで!

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by Sweden House
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見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイザー)
奈良県出身。パレットクラブイラストスクール1期生。
デザイン事務所勤務を経てフリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。
1995年より通算13年間スウェーデンに在住、2013年に帰国。
帰国後はスウェーデン料理のケータリング事業を始める。
Fika(スウェーデンのコーヒータイム)のワークショップをとおして北欧文化を発信中。
https://www.riekomise.com/
https://www.instagram.com/spisen_jp/
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