コラム from Sweden
12ヶ月のおいしい話

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
スウェーデン料理のレシピ。

第129回
Skomakarlåda (スコーマーカルローダ) おかしな名前の料理【靴屋の箱】


今回のコラムでご紹介するのは、「靴屋の箱」というユニークな名前のついた料理です。Skomakar(スコーマーカル)とは「靴屋」のこと、låda(ローダ)は「箱」を意味するスウェーデン語です。さて、いったいどんな料理なのでしょうか?

スウェーデンの料理やお菓子にはレシピを考案した人の名前にちなんで名づけられたものが多いなか、どうやらこの「Skomakarlåda (スコーマーカルローダ)」はステーキした薄い肉が靴底に似ているところから名づけられたのだとか。名前を聞く限り、あまり食欲をそそるものではないのですが…実は長い間スウェーデンの家庭で愛され続けてきた、シンプルでおいしい伝統的な家庭料理のひとつです。

少し前のスウェーデンでは、家庭料理にペッパー以外のスパイスはあまり使われませんでした。肉とポテトにベーコン、玉ねぎという、古くから親しまれてきた食材とブラックペッパーで作る「スコーマーカルローダ」は、まさにクラシックなスウェーデン料理。それゆえ根強い人気は今も変わらないのでしょう。

薄切りの肩肉やもも肉で作られることから、「安上がりの肉料理」と比喩された「スコーマーカルローダ」ですが、最近はバリエーションも増え、ヒレ肉を使った豪華なレシピまで見かけるようになりました。
今回はノーベル賞晩餐会のメインシェフを務めた人気シェフのレシピを基に、あくまでリーズナブルな材料を使った家庭料理であるという視点で作ってみました。スウェーデンの家庭の味をぜひお試しください!

[材料] 2人分

ステーキ用ランプ肉 2枚 (1枚100~150g程度) *他の部位の肉でも可
ブロックベーコン 100g
長ネギ 1/2~1本
塩、ブラックペッパー 適量
バター 大さじ1程度

【ワインソース】
玉ねぎ 1/2個
フレッシュタイム 2房
赤ワイン 100ml
水 150ml
ビーフブイヨン 1個(水150mlに対して指示のある分量で)
醤油 少々
蜂蜜 少々
コーンスターチ 大さじ1程度(お好みで硬さにより調整してください)
*片栗粉で代用も可。片栗粉は同量の水で溶いてから使用してください。

【マッシュポテト】
マッシュポテトの粉末(FELIX社製を使用) 100ml
水 350ml
バター 大さじ1
生クリーム 50ml *牛乳で代用可
塩、コショウ 適量

【飾り】
フレッシュタイム 2房

(準備)
*ステーキ用の肉に塩とブラックペッパーを振りかけ、室温でしばらく置いておく。
*長ネギは縦半分に切り目をいれてから1.5cmくらいの大きさにカットし、ブロックベーコンは1cmのサイコロ状にカットする。

作り方

1.
(ワインソースを作る)
玉ねぎを薄くスライスして鍋にいれてキツネ色になるまで炒めてから、赤ワイン、ブイヨン、水、フレッシュタイムを入れて半分の量になるまで煮詰める。ザルで濾してから味をみて醤油と蜂蜜で味を整え、最後にコーンスターチでとろみをつける。
2.
(マッシュポテトを作る)
鍋に分量の水を入れて沸騰させた中にマッシュポテトの粉末を入れて素早くかき混ぜる。全体がよく混ざったら熱いうちに生クリームとバターを入れて溶かし、味をみて塩、コショウで調整する。
*マッシュポテトはパッケージの指示どおり水だけでも美味しくできますが、バターや生クリームなどを加えるとリッチな味になります。
3.
(肉をステーキする)
フライパンにバターを溶かし、肉を入れて両面こんがりと焼く。冷めないようアルミホイルなどで包み、とっておく。
4.
(トッピングを作る)
肉を取り出したフライパンに、カットした長ネギとベーコンを入れてよく炒める。
5.
(盛り付ける)
皿にマッシュポテトを盛り付け、その上にステーキした肉を乗せて、炒めたベーコンと長ネギをトッピングしてソースをかける。
6.
仕上げにフレッシュタイムの房を飾る。

*マッシュポテトが冷めてしまった時は水か牛乳を加えて温め直すとよい。
スウェーデンでは、もったりと硬めのものよりは、少し緩めのピューレに近い柔らかめのマッシュポテトが主流です。

*日本でも販売されているFELIXのマッシュポテトはスウェーデンのジャガイモを使ってつくってあるので、味も申し分なくおすすめです!もちろんインスタントではなく、ジャガイモを茹でてホームメイドのマッシュポテトを作るのもよいですね。

*お手軽なサイコロステーキや焼き肉用の肉を数枚使ってもよいですし、もちろんゴージャスにヒレ肉やサーロインを使ったご馳走の一皿にしてもよいですね。

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
見瀬理恵子(イラストレーター)
奈良県出身。パレットクラブイラストスクール1期生。
デザイン事務所勤務を経てフリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。
1995年より通算13年間スウェーデンに在住、2013年に帰国。
帰国後はスウェーデン料理のケータリング事業を始める。
Fika(スウェーデンのコーヒータイム)のワークショップをとおして北欧文化を発信中。
https://www.riekomise.com/
https://www.instagram.com/spisen_jp/
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