コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第71回
窓との暮らし方

窓との暮らし方

長く暗い冬を過ごすスウェーデン人にとって、太陽の入口である窓は幸せの象徴。太陽の光に照らされた窓辺に、ゼラニウムの鉢を飾る暮らしに憧れています。
その代表が、スウェーデン人が愛してやまない国民的人気画家、カール・ラーションの家の窓辺です。
多くの人々がカール・ラーションのインテリアに憧れ、自宅の窓辺を同じように飾ります。スウェーデンの家の窓辺には物を置くスペースがあり、植木鉢や花を飾ったり、照明やキャンドルを灯したり、好きなオブジェを置いたり。それぞれが好きなように窓辺を飾ります。
スウェーデンの人々にとって窓辺は個性を表現する特別なスペースなのかもしれません。窓辺にカーテンがない家も多く、できるだけ光を取り入れるように工夫しています。カーテンを使う場合でも、窓の上だけを覆う短めのものや、薄いレースが使われることがほとんどで、光を遮断する厚手のカーテンは決して使いません。カーテンの代わりとして、ガラスの表面にウィンドウスクリーンを貼ることも一般的で、外からも窓辺が美しく見えます。
そのため、街を散策していると、いつもステキに飾られている窓が目に入ります。特にクリスマスシーズンは、どこの窓にもクリスマススターとキャンドルが飾られ、その統一感が街の美しさを一層高めます。暗くなる季節には、窓辺からもれる温かい光が道行く人々の気持ちを和ませてくれます。

 

 

 

スウェーデンのフィーカタイム

 

スウェーデンに住む人々にとって生活の一部であるフィーカ。実際のところ、現地ではどのように楽しまれているのでしょうか。今回は、2つのご家族のフィーカタイムをご紹介しましょう。
スウェーデンで誰かの家を訪ねると、お決まりのようにフィーカでもてなしてくれます。昔ながらのフィーカでは、7種類の焼き菓子を出すという習慣があり、代々続く焼き菓子のレシピを持つ家庭も少なくありません。
はじめに伺ったお宅では、おばあさまから伝わったレシピで手作りした焼き菓子でもてなしていただきました。お菓子を作るのが得意なお母さまにも手伝ってもらったそうで、自宅にはいつも焼きたてのクッキーやシナモンロールがあるそうです。スウェーデン人にとって、カルダモンの香りのするシナモンロールは家庭の味。うず状にかたどったものが一般的ですが、こちらの手作りシナモンロールはひねった形でした。ロールの形には各家庭のこだわりがあるようです。
次に伺ったお宅では、子どもたちも交えた家族総出のフィーカタイム。伝統的な7種類の焼き菓子に加えて、シナモンロール、ピスタチオパイ、ココナッツケーキなど、子どもたちが大好きなお菓子も並びました。子どもたちはサフトと呼ばれるジュースで楽しみます。
今回ご紹介した2つのフィーカはちょっと豪華に準備をしていただいたもので、テーブルコーディネートも華やかでしたが、もちろん焼き菓子が一種類だけという気軽なフィーカも一般的です。
一世代前には、お菓子が足りないことが失礼にあたり、余るほど出すのが礼儀だったそうですが、フィーカ用の焼き菓子はベーカリーでも気軽に買い求められますし、スーパーには7種の焼き菓子の入った缶入りのセットも売っています。
忙しい時は買ってきたものを、時間のある時は手作りのものを、というように状況に合わせて準備するのが現在のフィーカのスタイルです。

Mysig/ あなたのミューシグを教えて下さい

 

ミューシグ/mysigとは、居心地のよい空間で気持ちが落ち着き、心からリラックスできることを表わすスウェーデン語の形容詞です。
今回、「あなたのミューシグ」をお聞きしたのは、デンマーク生まれ、スウェーデン育ち、現在はアメリカ在住のソルヴェイ・マカレツ(Solvejg Makaretz)さん。どこに暮らしていてもヒュッゲやフィーカなど北欧のライフスタイルを大切にしています。手作りのテキスタイルをいくつか持っていて、特におばあさまやお母さまが刺繍したテーブルクロスを大切に使っています。また、アメリカではあまり一般的ではないキャンドルのある暮らしにもこだわっています。
そんなソルヴェイさんにとって、ミューシグとは居心地のいい瞬間を作り出すことなのだそう。座り心地のいいソファーとクッション、挽きたての香り立つコーヒー。そこにキャンドルを灯して寝転がりながら読書をすれば、一瞬でミューシグな時間になります。家族や友人と食卓を囲んだり、一緒にクッキーを焼いたり、ゲームを楽しんだり、そんなひとつひとつの時間がとても貴重で、いつまでも終わらないでほしいミューシグなひとときだとおっしゃいます。
ソルヴェイさん宅には愛犬がいて、愛犬との時間もとてもリラックスするそうです。別に暮らしているお嬢さんも犬を飼っていて、よく一緒に家に訪ねて来るそうですが、愛犬が気持ち良さそうにブランケットにくるまっている様子や、音楽を聴きながら愛犬と一緒に寝そべって過ごす時間そのものが何よりミューシグなのだそうです。

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

山本由香
ライター:山本由香(デザインコンサルタント)
1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。