コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第31回
Kanelbullens dag (カネールブッレンス・ダーグ) シナモンロールの日 

10月4日はカネールブッレの日です。
Kanellbulle(カネールブッレ)とはスウェーデン人が一番好きな菓子パン、シナモンロールです。
スウェーデンには食べものにまつわる記念日がたくさんあります。
カネールブッレの日は、1994年にホームベーカリー協会の創立40周年を記念して決められました。そして協会の予想を上回り、あっという間に国民の間に広まりました。今ではこの日に売れるカネールブッレの数が700万個を超えるそうです!
新聞でも「今年一番のカネールブッレ」というタイトルで、独自の審査を行い発表するほどの盛り上がりようです。もちろんこの日は、仕事場でカネールブッレを囲み、みんなでFikaタイムを楽しみます。
シナモンロールは日本や他の国にもありますが、カネールブッレの特徴は生地に含まれたカルダモンと、トッピングされている白い粒状のパールシュガーです。形もロール形だけでないのがスウェーデン流といえるでしょう。
シナモンとカルダモンの香りが漂う時間は、スウェーデン人にとって幸せを感じる瞬間なのだそうです。

*日刊紙とは夕刊とかタウン誌とは違い、信頼のおける新聞という意味です。

http://hembakningsradet.com
http://kanelbullensdag.se

写真:焼きたてのカネールブッレの香りが家中にただよいます。

チョコレートとスウェーデン人

スウェーデン人はチョコレート好きの民族としても知られています。ブーケにチョコレートを添えて誕生日のプレゼントにすることも少なくありません。
カカオ豆がヨーロッパに広がった17世紀には、スウェーデンでも砂糖と水を混ぜて飲んでいたようで、高価なカカオ豆は薬と同じように薬局で売られていました。さらに、カカオは快楽を常習する恐れがある、という理由で課税されていたとか…。チョコレートを食べると元気になるというのも嘘ではないようですね。スウェーデン人監督ラッセ・ハルストロムの映画「ショコラ」でもチョコレートが人を魅惑する様子が描かれています。
2016年は10月6日から4日間にわたり、ストックホルムでは恒例のチョコレートフェスティバルが開催されます。
会場では、パティシエコンテストの最終審査を見ることができ、全国から出店しているチョコレート店を目当てに訪れる大勢の人で賑わいます。チョコレート好きのスウェーデン人には、見逃すことのできない秋のイベントです。
秋にストックホルムにいらっしゃる方にもお薦めのイベントですよ!

写真:チョコレートフェスティバルの様子

林檎のお酒

夏が短いスウェーデンですが、秋にはたくさんのフルーツや野菜が収穫できます。なかでも林檎はスウェーデン人にとって特別なもの。ほとんどの家の庭には林檎の木があり、秋はどの家でもたくさんの林檎を収穫します。家の地下室にある貯蔵庫では、生の林檎を長期間保存することができますが、ほとんどはジャムやジュースにしたり、ペースト状にして冷凍保存します。
家庭ではあまり作ることはないのですが、林檎はお酒づくりにも使います。
林檎で作るお酒はappelcider(エッペルシーデル)と呼ばれ、甘酸っぱい発泡酒になります。お酒づくりには甘みの少ない品種が適しているようです。冬が早くやってくるスウェーデンでは、花が咲いてから実を付けるまでの時間が短く、急いで実が熟すので酸っぱくて少し苦い林檎になるそうです。でも、それがエッペルシーデルづくりにはピッタリな林檎なのです。

写真:林檎はスウェーデン人にとって特別な存在

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
ライター:見瀬理恵子(イラストレーター)
大阪総合デザイナー学院ファッションデザイン科卒。ペーター佐藤、安西水丸、原田治、新谷雅弘氏に師事。デザイン事務所勤務を経て、フリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。1995年ー2000年と2006年から7年間スウェーデンに在住し、娘二人の成人を期に2013年9月に帰国。