コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第57回
ストックホルムのクリスマスイルミネーション

日照時間が短くなる11月の終わりになると、ストックホルム市内のストリートと広場は、幻想的なクリスマスイルミネーションで彩られます。ヘラジカやトナカイ、巨大なヤドリギ、松ぼっくりやエンジェルをかたどったLED照明がライトアップされ、多くの人々を魅了します。市内の中心にある王立ドラマ劇場前には、まるで本物のような臨場感あふれる等身大のヘラジカの群れが暗い背景に幻想的に浮き上がります。中央駅前にライトアップされる大きなヤドリギは、幸福や幸運をもたらす聖なる木として恋人たちに人気のスポットです。あちこちにあるイルミネーションを楽しむいちばんの方法は、それぞれのライトアップを歩きながら見ることです。イルミネーションマップもあり、シンボルとなるライトを探しながらストックホルム市内をゆっくり散策することが、スウェーデンのクリスマスの風物詩にもなっています。伝統的なNKデパートのクリスマスウィンドウを見たり、旧市街や市内のクリスマスマーケットをのぞいたり。暖かい身支度をして、寒い季節に市内を散策するのも楽しいひとときです。

写真:通りを明るく照らす松ぼっくりのイルミネーション

人気のクリスマスマーケット

12月はクリスマスにちなんだイベントが各地で開催されます。クリスマスマーケットは氷点下でも屋外で開かれることが多く、防寒着に身を包んだ人々が白い息を吐きながら、トナカイのソーセージやチーズなどクリスマスの食べ物や小物を物色します。では、ここでスウェーデンの中でも人気のマーケットをご紹介しましょう。太陽の昇らない極夜の北極圏ヨックモックのクリスマスマーケットが、2018年は12月8日と9日に開かれました。北極圏ならではのサーミの工芸品が充実し、食事やコンサートが楽しめたり、トムテに会うこともできます。西スウェーデンにあるショレホルム宮殿(Tjolöholms slott)のマーケットは、2018年は11月16日から12月2日の週末に開催され、夕方になると火を使ったショーが宮殿の前で繰り広げられ、魅惑的なパフォーマンスが堪能できました。ゴットランド島のヴィスビーでは中世をよそおったマーケットが2018年は12月7日から9日に開催されました。レストランでは中世と同じように、真っ暗な中ろうそくの明かりだけで、ナイフもフォークも使わずに食事をいただきます。各地の特色のあるクリスマスマーケットを訪れると、この季節ならではの特別なイベントが楽しめます。

写真:ショレホルム宮殿のマーケット

ノーベル賞、とっておきのメニュー

ストックホルム市庁舎で開かれるノーベル賞晩餐会の豪華メニューは毎年12月10日の当日まで秘密にされ、当日のテレビでドキュメンタリー形式で生放送されます。晩餐会を成功させるために、ノーベル財団のアドバイザーとレストランアカデミーや市庁舎レストランのチーフなどがメンバーに加わり、その年の春からメニューの開発が始まります。2017年は創作料理が人気のレストラン、リラ・エゴ(Lilla Ego)のオーナーシェフであるトム・フェステッド(Tom Sjöstedt)が初めて前菜とメインを担当しました。前菜は乾燥させたキクイモとコールラビの花を野菜ブイヨンと生姜で味を整えたベジタリアンメニュー。メインはアップルサラダとローズマリーソースのラム、ジャガイモ、イエロービーツ、塩焼きセロリのマリアージュです。デザートは2016年に引き続き、見栄えの美しさにこだわる人気パティシエ、ダニエル・ロース(Daniel Roos)が担当しました。ヴィクトリア王太子のロイヤルウェディングでのデザートも担当した彼のノーベルデザートは、ブルーベリーババロア、レモンタイムとブルーベリーアイスクリーム、ライムゼリー、ミニメレンゲを、まるでジュエリーのように盛りつけました。ノーベルディナーはスウェーデンのスターシェフが担当しますが、彼らのレシピが掲載されたクックブックが発売されており、自宅でノーベルメニューに挑戦できるのも、楽しみのひとつになっています。

写真:ノーベルディナーのクックブック

【追加情報】2018年のディナーメニューが公開されましたのでお知らせします!

前菜
軽く焼いた北極イワナ、オニオンにザリガニブイヨン、マスのキャビア、ジャガイモのクリスピを彩りよくアレンジしています。

主菜/メイン
焼いた根セロリにアンズタケのクリームとマッシュルームバター。スウェーデンのカブにベイリーフクリーム。じっくり焼いた牛肩肉を西洋ネギのテリーヌとジャガイモで包んだもの。それぞれをかわいらしく盛り付けています。

デザート
リング状のグリーンのチョコレートの中に南スウェーデン産のリンゴ、リンゴのシャーベット、バニラクリーム、キャラメルソースなどをあしらい、花のデコレーションで飾ったリンゴ尽くしのアップルハーモニー。写真:2018年晩餐会メニュー 前菜/主菜/デザート

 

 

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

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山本由香
ライター:山本由香(デザインコンサルタント)
1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。