コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第175回
1000の仮面を持つアーティスト Stig Lindberg

スティグ・リンドベリ(1916–1982)は、20世紀のスウェーデンデザインを語る上で欠かせない最重要アーティストの1人です。緑の葉が印象的な「Berså(ベルサ)」や、ラインが美しい「Salix(サリックス)」など、1950〜60年代のスウェーデンの暮らしをカラフルに彩った名作テーブルウェアを数多く世に送り出しました。

彼の最大の魅力は、その圧倒的な「多才さ」にあります。「1000の仮面を持つアーティスト」と呼ばれる通り、その旺盛な好奇心は陶磁器に留まらず、絵本の挿絵、テキスタイル、プラスチック製品、グラフィックデザインへと広がります。衛生陶器から日用品まで、工場から生まれるあらゆる新しい素材や技術が、彼のクリエイティブな魂を刺激しました。

「私を雇ってくれるなら、工場に今以上の利益をもたらしてみせます」 1937年、当時21歳だったリンドベリは、グスタフスベリ製陶所へ自信たっぷりに直談判しました。経営が傾きかけていた製陶所でしたが、彼は言葉通り40年以上も在籍し、ブランドを国際的な地位へと押し上げたのです。

この成功は、彼が独自のクリエイティビティを持つ「アーティスト」であり、同時に大衆のニーズを掴む「商業デザイナー」という2つの顔を持ち、それらが最高の形で響き合っていたからに他なりません。さらに優れたマーケティングの才能も発揮し、その魅力的な人柄で多くの顧客やメディアを虜にしました。芸術性、パーソナリティ、そして時代の波――そのすべてが絶妙に溶け合い、幸せな化学反応を起こしたからこそ、今なお世界中で愛され続ける深く豊かな作品群が生まれたのです。

展示会「リンドベリの歓びに満ちた世界」は2027年の5月までStockholmのグスタフスベリ陶磁器博物館にて開催中。

Fajansシリーズ。重なりあうイメージやファンタジー溢れる独創性が初期からすでにハッキリと現れている。

絵本や動物のフィギュアなど、子どもにも愛されるデザインをたくさん生み出した。

ガラス質の釉薬を高音で焼き付けたエナメルが施されたローテーブル。

NKデパートのテキスタイル部門責任者Astrid Sampeとともに生み出したテキスタイル。

リンドベリの代名詞であるBersåとSalix。

展示会をキュレーションしたナショナルミュージアムのUlrika Schaeder氏。
「彼の作品を見ていると、難しい理屈抜きにただ自由に想像が膨らみ、自然と心が弾むような楽しさに包まれます」

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

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明知直子
千葉大学教育学部卒業後、IDÈEにて家具販売とインテリアコーディネートに携わる。2007年にスウェーデン北極圏の街キルナへ留学。その後ストックホルムで写真を学び、現在はストックホルム郊外の群島アーキペラゴ在住。書籍や雑誌記事の執筆·撮影、日本とスウェーデンに関わるプロジェクトや企画のコーディネートを生業とする。
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