コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第121回
初夏の週末ブランチのおすすめ

世界中の人が注目するノーベル賞の晩餐会。きっと豪華なお料理が何品も提供されるのでは・・・とご想像される方が多いと思いますが、実は「前菜」「メインディッシュ」「デザート」のわずか3品で構成されていることをご存知でしょうか?
晩餐会のメニューはスウェーデンの国内で穫れる最高級の食材を使うというテーマに沿って、トップシェフが半年以上もかけて練り上げ、晩餐会の日まで極秘で進められます。当日発表されるメニューの内容はさすがにどれも特別な素晴らしいものばかり。とはいえ3品と聞くと、少し驚いてしまいますよね。
スウェーデンではレストランでも3品のコースが定番。何をするにも、とにかく合理的なスウェーデンの人たちは食事においても同じ感覚のようです。
そこで今回は、そんなスウェーデンの人たちにならって、伝統的な3品の家庭料理を基本にした週末ブランチを作ってみました。

Grön ärtsoppa(グローン・アートソッパ) グリーンピースのスープ
欧米では前菜から順番にお料理が運ばれてくるのが普通で、最初のスープを飲み終わらないと次のお料理は出てきません。
スウェーデンにある寿司レストランに行くと、まず味噌汁が運ばれてきて驚きましたが、和食であっても普段の食べ方に沿って提供されています。
前菜として選んだのは「Ärtsoppa(アートソッパ)」で、スウェーデン風に考えるとメインのオープンサンドの前にいただくものですが、メインの添えとして一緒にいただく日本スタイルに。本来は黄色のエンドウ豆で作るアートソッパを旬のエンドウ豆で作り、「Grön ärtsoppa(グローン・アートソッパ) グリーンピースのスープ」にして季節感を出しました。
「Grön ärtsoppa」は暑い季節には冷製をおすすめしますが、メインが温かくないお料理の場合は温製のスープにして組み合わせるといいかもしれません。

ステークトストロミング(イワシのパン粉焼き)
メイン料理には、北欧らしい魚のオープンサンドを選びました。
伝統的なライ麦の乾燥パンKnöckebröd(クネッケブロード)にバターをぬって、ハムとチーズ、または茹で卵をスライスし、スウェーデンでは「キャビア」と呼ばれているタラコペーストをのせたもの、レバーパテをぬってきゅうりのピクルスをトッピングしたオープンサンドは、朝食の定番でもあります。
今回は伝統的なクネッケブロードに、茹でたじゃがいもの輪切り、その上に甘酢に漬けたステークトストロミング(イワシのパン粉焼き)をのせて、紫玉ねぎやパセリをトッピングにしたブランチ向けのオープンサンドにしました。ストロミングはニシンの種類ですが、手に入りやすいイワシで代用できます。
野菜類が少し足りないなと感じたら、「林檎入りルッコラサラダ」をプラスするのがおすすめ。
初夏の時期には旬の柑橘類、「八朔」や「晩柑」「パール柑」などを加えると爽やかですね。写真のサラダには「紅玉」と「晩柑」を使用しています。

メレンゲのカップ・イン・ケーキ
前菜はなくても、メイン料理の後に必ずコーヒーとホームメイドのデザートが欠かせないスウェーデンの食卓。
スウェーデンではオーブン料理が多く、デザートもオーブンで焼いた熱々パイに冷たいアイスクリームやホイップクリームを添えることが珍しくありません。温度や食感の違った物の組み合わせの面白さ、味のバランスにはいつも感心させられます。
今回ご紹介しているメレンゲのカップ・イン・ケーキもその一つで、食感の違いが楽しめます。メレンゲケーキは夏のケーキの定番で、ミッドサマーには、「酢漬けのニシン」と茹でたての「新ジャガ」、「苺」をふんだんに使ったメレンゲケーキの3品は必須のメニューです。
今回のブランチプレートには、そんなスウェーデンの夏の人気の食材を取り入れました。

料理の盛り付けとテーブルセッティングのコツ

スウェーデン料理の盛り付けには決まったルールは特になく、テーブルに出した温かい料理と冷たいサラダを各自が無造作にお皿に盛り付けて食べることが普通です。思い思いに彩りよくお皿に盛り付けて楽しみます。
数種類の料理を組み合わせる場合は、今回のブランチプレートのように、スープのグリーンとメイン料理の黄色(茶色)、デザートの白、赤、黄色という具合に色味が重ならないようにするのもポイントです。

前菜のスープには、先日友人から頂いたグリーンのディルの花をトッピングしました。同系色のトッピングは落ち着いたお洒落な印象に見えますし、カラフルなエディブルフラワーを添えれば食欲をそそるスープに見えますよ。

ステークトストロミングには、マッシュポテトを合わせ、ヨーグルトソースとリンゴンベリーの生ジャムを添えました。立派なランチやディナーの1品にもなる料理です。

ステークトストロミングをバンズに挟み、イワシバーガーにするのもおすすめ。ワックスペーパーで包めば、ハンバーガーショップのような気軽さも楽しめます。100円ショップなどでも北欧風デザインのワックスペーパーが買えるので、ぜひ試してみてくださいね。

デザートは夏らしさと色の組み合わせのコントラストが一目でわかるように、透明なグラスに盛り付けました。高さのあるグラスにメレンゲとレモンカード、フルーツを彩りよく重ねていくと、パフェのようなケーキ・イン・グラスが出来上がります。
このほかにも、材料を入れた器ごとテーブルに出しておき、各自で好きなだけグラスに盛り付けるというのもスウェーデンらしくていいかもしれません。

今回ご紹介した4品を、トレイや大きめのお皿に彩りよく盛り付けて、テーブルクロスを思いっきりビビットなカラーにするのも素敵なアイデアです。庭のお花を添えたり、カラフルなペーパーナプキンをグラスにセットすると、パッと華やかなブランチのテーブルに仕上がります。

mjuk&swedenhouse公式インスタグラムアカウントで聞きました!

\4つのメニューのうち作ってみたいレシピは?/
1位は・・・「メレンゲのカップ・イン・ケーキ」
彩り華やかで、初夏らしい涼しげな見た目は、おもてなしデザートとしてもぴったりですね。

◆今回ご紹介した4つのレシピ

Grön ärtsoppa(グローン・アートソッパ) グリーンピースのスープ
Stekströming(ステークストロミング) イワシのパン粉焼き
Ruccolasallad med apple(ルッコラサラダ・メ・エップレ) 林檎入りルッコラサラダ
Marängtårta i glas (マレングトータ・イ・グラース) メレンゲのカップ・イン・ケーキ

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイザー)
奈良県出身。パレットクラブイラストスクール1期生。
デザイン事務所勤務を経てフリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。
1995年より通算13年間スウェーデンに在住、2013年に帰国。
帰国後はスウェーデン料理のケータリング事業を始める。
Fika(スウェーデンのコーヒータイム)のワークショップをとおして北欧文化を発信中。
https://www.riekomise.com/
https://www.instagram.com/spisen_jp/