コラム from Sweden
北欧の暮らし
ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。
スウェーデンの6月は、日本と異なり日照時間が最も長く、夏と呼ばれる月。
夏休み前の催しの多い季節でもあります。6月6日は、1523年にグスタヴ・ヴァーサがスウェーデン王に選出された独立記念日(ナショナルデー)です。国旗記念日とも呼ばれるこの日には、あちこちに国旗が立てられ、国中が青と黄色のスウェーデンカラーで埋め尽くされます。当日はガムラスタンにある王宮が一般公開され、王宮内やガーデンを自由に見学することができます。国王夫妻は青と黄色の民族衣装を身に着け、野外博物館スカンセンでの行事に参加します。王宮からスカンセンへ移動する際には馬車で一般道を通られるため、通りは黒山の人だかりとなります。
写真:街はスウェーデンの国旗で埋め尽くされる
スウェーデンの学校は、8月中旬に新学期が始まり、6月中旬が卒業式の季節となります。高校の卒業式は成人のお祝いも込められた特別なイベントです。卒業生たちは白い学生帽をかぶり、白い服を着て卒業イベントに臨みます。卒業式のメインイベントは学生トラック。卒業生たち自らがデコレーションしたトラックの荷台に乗り込み、大騒ぎをしながら大通りに繰り出します。荷台はシャンパンや飲み物でビショ濡れになり、大音響で踊って大はしゃぎする学生でいっぱいです。お祭り騒ぎの学生トラックはこの季節の風物詩で、通りかかる人々に手を振りながら、卒業生たちは高校最後のイベントを思いっきり楽しみます。
写真:街中に繰り出した学生トラック
夏至祭は、クリスマスと同様に1年のうちで最も大切なイベントです。日照時間が最も長いこの日を、スウェーデン人は太陽に感謝しながら祝います。お祭りのメインイベントとして、メイポールと呼ばれる白樺の葉で覆われた支柱が広場の中央に立てられます。夏至祭は各地で行われ、それぞれにメイポールが作られます。メイポールが立つと拍手と歓声が起こり、民族衣装を身にまとった人々や普段着の人々が一緒になって、夏を祝うフォークダンスを踊ります。草花で手作りした花かんむりをかぶり、誰もが夏の1日を楽しく祝います。
写真:スカンセン野外博物館での夏至祭イベント
6月になるとスーパーマーケットに出回るのが新ジャガイモと初イチゴ。スウェーデンでは国産の野菜があまり手に入らないため、この時期に出回る国産の新ジャガと初イチゴを、多くの人々が心待ちにしています。小さくてもすっぱくても多少値段が高くても、すぐに売り切れるほどの人気で、両方とも夏至祭を祝うテーブルに欠かせません。新ジャガは茹で上がりにディル(セリ科の香草)を入れて香りを立たせ、刻んだグリーンオニオンを入れたサワークリームを添えていただきます。イチゴも軽く洗ってから砂糖なしのホイップクリームを添え、自然そのものの味わいを楽しみます。
写真:ディルを添えた茹でた新ジャガ