コラム from Sweden
12ヶ月のおいしい話

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
スウェーデン料理のレシピ。

第80回
Saffransbiscotti
サフランビスコッティ


スウェーデンでは12月13日にルシア祭が行われますが、この時期にサフランが入ったパン「Lussekatter(ルッセカット)」を食べる習慣があります。
鮮やかな黄色と独特の香りが特徴のサフランは、世界で最も高価なスパイスのひとつといわれています。そのせいもあって、スウェーデンではサフランの入った小さな袋は商品棚には並んでおらず、レジの人にお願いして買い求めます。最近はルシア祭が近づくと「サフランあります!」という案内がレジ前に貼ってあるのですが、スウェーデンに住み始めた頃、サフランを買いに行ったお店でスパイスの棚をみまわしてもなかなか見つからず、売り切れてしまったんだろうかと、ずいぶん探しまわったのを思い出します。
そんな貴重なスパイスをふんだんに使ったお菓子が、1年で一番大きなお祝いのクリスマスのフィーカの定番というのも肯けますね。
ルッセカットは、ルシア祭の日だけでなくクリスマス前のアドベントが始まる頃から期間中フィーカのお菓子として食べられており、その他にもクリスマスのフィーカにはサフランを使ったパンやケーキがいくつかあります。
今日はその中のひとつ、イタリアのお菓子ビスコッティをアレンジした「サフランビスコッティ」をご紹介しましょう。
スウェーデンには、もともとビスコッティに似た乾燥したパン「skorpa(スコルパ)」というものがあります。イタリアのビスコッティが卵をたくさん使うのに対し、スウェーデンのスコルパはバターをたっぷり使うという違いがあるようです。
数週間という長い期間保存ができるので、作り置きができ、不意のお客様にもぴったり。
透明の容器に入れると鮮やかな黄色が映える素敵なプレゼントにもなります!

サフランは血管を広げる効果や抗酸化作用が高く、婦人病の特効薬とも記憶障害を改善するとも言われています。
昔からその効果が知られていたのか、かのクレオパトラもサフラン入りの化粧水を使用していたのだとか。
鮮やかな色だけではなく、健康にも美容にも優れているサフランを使ったお菓子「サフランビスコッティ」を作ってみませんか?!

<材料> (約40個分)

・サフラン ・・・・0.5g
・コアントロー・・・・大さじ2
・薄力粉・・・210g
・ベーキングパウダー・・・小さじ1
・ピスタチオ・・・・皮付きで80~100g程度
・バター・・・・100g
・卵・・・・・大1個
・グラニュー糖・・・90g
・オレンジゼスト・・・オレンジ1個分(チーズおろしなどで白い部分が入らないようオレンジの皮の部分だけを削る)

作り方

1.
糸状のサフランの場合、袋のまま手で細かく砕く。小さめの容器に大さじ2のコアントローを入れ、その中に砕いたサフランを入れて12時間放置する。
2.
12時間経過して、コアントローにサフランの色が充分付いているのを確認したら、オーブンを200度に予熱する。
3.
薄力粉とベーキングパウダーを混ぜ合わせる。
4.
ピスタチオの殻をむき、包丁で粗めに刻む。
5.
バターを鍋で溶かす。
6.
ボウルに卵を割り入れて、グラニュー糖を少しずつ入れながら、白っぽくなるまでよく泡立てる。
7.
⑥のボウルに全ての材料(②のコアントロー、③薄力粉とベーキングパウダー、④のピスタチオと⑤のバター、オレンジゼスト)を入れてよく混ぜ合わせる。
8.
生地がまとまり、ボウルにくっつかなくなるまでこねたら、小麦粉をふるった台の上に取り出す。
9.
取り出した生地は2等分にして、それぞれ30cm程度の細長い棒状に形を整え、クッキングシートを敷いたオーブンプレートにのせて、オーブンの中段で15~20分焼く。
10.
焼き上がったら粗熱をとり、2cm幅に斜めにカットしていく。
11.
⑩のカットした面を上に向け、新しくオーブンシートを敷いたオーブンプレートに広げて、75℃のオーブンで40分ほど乾燥させる。 *オーブンを75度に設定できない場合は、100℃にして、時々扉を開けて庫内の温度を下げながら、焦げないよう気を付けて乾燥させると良い。

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
ライター:見瀬理恵子(イラストレーター)
大阪総合デザイナー学院ファッションデザイン科卒。ペーター佐藤、安西水丸、原田治、新谷雅弘氏に師事。デザイン事務所勤務を経て、フリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。1995年ー2000年と2006年から7年間スウェーデンに在住し、娘二人の成人を期に2013年9月に帰国。