コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第75回
ガラス器の楽しみ方



雪の降らない暖冬のあと、今年(2020年)の春はいつまでも暖かくならないと思っていたら、あっという間に6月がやってきました。いつもの年ならば、ナショナルデー、卒業式、夏至祭などイベントづくしの6月ですが、今年はほとんどが中止になることでしょう。とはいえ、コロナ禍でもスウェーデンはロックダウンもなく、小中学校も開校しています。人々は比較的いつもと同じように過ごしていますが、それでも家にいる時間はいつもより長くなっています。家の中を快適に過ごすことが得意な人々のライフスタイルは、私たち日本人の暮らしのヒントにもなります。

スウェーデンに来てから特にインテリアの参考になると感じるのは、室内の花の飾り方です。今回はご自身がデザインしたガラスの器に美しく活けた、ガラスデザイナーの方による印象的なディスプレイをご紹介します。一輪の花や葉をシンプルに入れた、形やサイズの異なるガラス器。置き方を工夫すると花に動きが加わります。花の茎や葉の全体がガラス越しに見えるので、植物本来の美しさが際立ちます。形の異なる葉だけをいくつかの器に入れて並べても素敵です。家にある空き瓶を使えば、いろいろな形やサイズを楽しめます。ガラス器の組み合わせの楽しさを知るようになって、私は空き瓶も捨てずに取っておこうかな、と思うようになりました。

Mysig/あなたのミューシグを教えて下さい

ミューシグ/mysigとは、居心地のよい空間で気持ちが落ち着き、心からリラックスできることを表わすスウェーデン語の形容詞です。今回「あなたのミューシグ」をお聞きしたのは、ストックホルムを拠点に活躍するスウェーデン人デザイナー、マリア・ベリストレム(Maria Bergström)さんです。マリアさんのミューシグを、スウェーデン西海岸の小さな半島ランネベリ/Rannebergにあるサマーハウスから届けていただきました。

ランネベリはマリアさんがご主人のハンスさんと初めて出会った思い出の場所だそうです。もともとハンスさんはこの地にボートハウスを持っていて、結婚してからマリアさんとふたりでサマーハウスとして住めるように整え、子どもたちと週末や夏休みを過ごしています。
マリアさんたちは最近サマーハウスを建て直しました。大きなガラス窓が室内と外をつなぎ、自然が身近に感じられるように設計されています。温かみのあるウッドフロアと白を基調にした明るいインテリアには、新しいものと古いものがミックスされた家具を選び、ミューシグな雰囲気にこだわりました。オープンキッチンにはご自身がデザインしたトレイなどを飾っています。

外の景色がまるで絵画のように見える窓、夏の花やお気に入りの小物を飾った棚、リビングルームの暖炉。夏でも夕方になると寒くなることがあり、気温が下がった晩には暖炉に火をつけます。暖炉の炎を見ながらソファーで過ごす時間は、まさにミューシグなひとときです。海沿いの庭はまだほとんど手付かずで、今は子どもたちと一緒に花壇を作っています。バラ、サルビアなど夏に咲く花々を植え、サマーハウスで過ごす、これからの季節を楽しみます。

娘たちとのフィーカタイム



スウェーデンに住む人々にとって生活の一部であるフィーカ。今回ご紹介するのは、ストックホルム在住のスウェーデン人デザイナー、マリア・ベリストレム(Maria Bergström)さんのフィーカタイムです。かわいい盛りの女の子がふたりいるマリアさんは、子どもたちとのフィーカタイムが欠かせません。

マリアさんにとって最高のフィーカは、お天気のいい日のアウトドアでのフィーカです。子どもたちが幼かったころは、お手製のケーキでアウトドアフィーカを楽しみました。マリアさんがケーキを作る姿を見て育った子どもたちもすっかり大きくなり、今では子どもたちがケーキを作るようになりました。ケーキ作りに夢中になった子どもたちはフィーカのたびにケーキを作ってくれて、マリアさんはいつも味見を楽しんでいます。


先日、次女の9才のお誕生日には、子どもたちだけでケーキやスイーツをいくつか作りました。ひとつはチョコレートケーキで、スポンジケーキのまわりをラズベリームースで覆い、チョコレートでデコレーションをして、カラフルなマーブルやスプレーを賑やかに飾りつけました。もうひとつはイチゴの生クリームケーキです。イチゴのケーキはスウェーデンでも定番で、イチゴの美味しい季節には大人気。子どもたちが好きなようにデコレーションをアレンジしました。子どもたちのケーキ作りがどんどん上達していくのを見るのも、マリアさんのフィーカタイムの楽しみなのだそうです。

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

山本由香
ライター:山本由香(デザインコンサルタント)
1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。