コラム from Sweden
北欧の暮らし
ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。
7月14日はヴィクトリア王太子のお誕生日です。この日は、毎年エーランド島でお祝い行事が行われ、全国から駆けつけた人々に祝福される様子が、テレビでも放映されます。
そしてまた、2020年7月19日はヴィクトリア王太子とダニエル王子の10年目の結婚記念日にあたり、記念行事に先がけメディアには、おふたりの仲の良い様子が報告されていました。
開かれた王室と言われるスウェーデン王室ですが、おふたりの結婚には長い道のりがありました。
ヴィクトリア王太子の妹、マデレーン王女から勧められて通ったトレーニングジムでの出会いは、20年も前に遡ります。ジムのオーナーでありパーソナルトレーナーを務めたのが、ダニエル王子。次第に仲を深めていく二人の関係に、当時は周囲の反対も多かったようです。それでも10年近い歳月をかけ、父である国王をはじめ、政府や周りの人たちを説き伏せて結婚にまで漕ぎつけました。その間にダニエル王子は7年という長期間にわたって、王子となる教育を受けられたそうです。
普段王室に興味のない人も、このラブストーリーにはエールを送りました。
2010年のご成婚セレモニーでのふたりのスピーチには、それまでの思いがたくさん詰まっていて、テレビで観ていた私も感動したほどでした。国民の王室への好感度が急上昇したのも肯けます。
また、ヴィクトリア王太子は、自分で職業を選択できる立場であったなら
獣医になっていたというほどの動物好きとしても知られています。
自然と生き物を愛するお人柄から、環境保護に尽力されるのは当然のこと。
住居であるHagaslott (ハーガ城)では蜜蜂を飼育し、お子さんのエステル王女とオスカル王子にもその大切さを自ら教えていらっしゃるそうです。
国民に最も近い王室として知られるスウェーデン王室の様子は、日々SNSでも配信されています。
王室のFB
https://www.facebook.com/Kungahuset/
王室のインスタグラム
https://www.instagram.com/kungahuset/?hl=en
スウェーデンの人たちは、実はチョコレートが大好き。フィーカのお菓子には、たいていチョコレート味のお菓子が含まれています。
お菓子売り場をのぞいてみても、その種類の多さから国民のチョコレート愛が伺われ、
お誕生日のプレゼントやおよばれの時にも、チョコレートのプレゼントは喜ばれます。
また、ケーキにもチョコレートを使ったものが多く、チョコレートのロールケーキを「drömtårta(ドゥローム)/夢のケーキ」と名付けるのは、思い入れの深さでしょうか。
では、スウェーデンでは一体どれくらいの量のチョコレートを消費しているのでしょう?
2018年の統計では、1年間で一人当たりの消費量が5.5kgと、世界で8番目に多く、
1位のスイス(9㎏)とは3.5kgの差があるものの、フランスやベルギーより多いのには驚きます。
ちなみに、1800年代に初めてミルクチョコレートを作ったのはスイス人だったそうです。
スウェーデンでも、スイスから移住した人たちが、カフェやお菓子屋を始め、最も古いチョコレート工場「Cloetta(クロエッタ)社」もスイス人兄弟が始めたものでした。
国内には、その他にココアアイズのパッケージで有名なMazetti(マゼッティ)社(1888年創業)や、Marabou(マラボウ)社(1926年)がありましたが、現在は他国の会社に買収されています。
スウェーデンでは、チョコレートを溶かして作る代わりに、ココアパウダーを使って簡単に作れるお菓子のレシピが多く、その中でも最も人気のあるのが「Kladdkaka(クラッドカーカ)」と呼ばれるチョコレートケーキです。驚くほど簡単に作れるこのケーキは、実は失敗から生まれたケーキだとか。
他にも材料を混ぜるだけで簡単に作れてしまう「Chokladbollar(ショクラードボッラル)チョコレートボール」も、手作りのお菓子の代表。
大好きなチョコレート味を手軽に家庭で楽しむ方法を編み出したのは、スウェーデンらしい合理性の賜物ではないかと思います。
日本ではあまりなじみがありませんが、スウェーデンにはたくさんの食べ物の日があります。
7月には、
Paltdagen「パルト(肉まんのようなもの)の日」
Ölets dag 「ビールの日」
Varmkorvens dag 「ホットドッグの日」
Lasagnens dag 「ラザニアの日」
と4つのテーマデーがあり、
7月23日はvarmkolv(ヴァルムコルブ)の日となっています。
ヴァルム=温かい、コルブ=ソーセージという意味で、スウェーデンではホットドッグのことを言います。
日本では、レタスやキャベツなどの野菜類を一緒に挟んだタイプのものが多いのに比べ、スウェーデンのヴァルムコルブは小さめのパンに長いソーセージを挟んだだけという究極のシンプルスタイルで、そのまま「コルブ・メ・ブロード(パンとソーセージ)」とも呼ばれます。パンにはバターやマスタードは塗っておらず、ソーセージはパンからはみ出るくらい長いのが特徴です。味付けはお好みのトッピングでというのがスウェーデン式。
ケチャップとセナップ(マスタード)、ボストングルカ(みじん切りのキュウリのピクルス)、フライドオニオンが一般的なトッピングです。
公園にある屋台では、自分でソーセージを焼いてヴァルムコルブを作って食べられるようになっていたり、町の至るところにも移動式の屋台があり、最も身近なファストフードとして定着しています。
また、子どもたちの誕生日パーティでも、お決まりのように振る舞われる食べ物がこのヴァルムコルブです。