コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第86回
ストックホルム郊外、エリザベス・トルブルン/Elisabeth Thorburnさんのご自宅1

今回は、北欧の人々にご自宅を紹介していただきます。
エリザベス・トルブルンさんは、ストックホルム郊外の新築一軒家に家族でお住まいです。スウェーデンでは中古物件をリノベーションする人が多いですが、エリザベスさんたちは間取りやデザインにこだわりたかったので、一から新築することにしました。


エリザベスさん一家は2001年に土地を手に入れ、2014年に家を建てました。起伏のある土地だったため、地形に合わせて設計された家はモダンな長方形になりました。落ち着いたグレイの外壁に明るいオレンジ色のドアがアクセントになっています。家を建てるにあたり、スモーランド地方のヨーテンヒュース/Götenhusというハウスメーカーに依頼しました。「家庭をつくるお手伝いをする」をモットーに家づくりを提案するヨーテンヒュースとともに、エリザベスさんたちがデザインを考える独自の設計プランを選びました。まず初めにとりかかったのは、敷地にどのように太陽が当たるかを知ることでした。スウェーデンの家づくりでいちばん重視されるのは、日当たりをよくすることです。そこで、初めに庭とテラスの設計を考え、その後に家の間取りや部屋の数、外観のデザインを決めました。エリザベスさんたちがこだわったのは、機能性が高く、モダンなデザインを取り入れた設計です。そして出来上がった家は、1階に玄関があり、リビングやキッチンを日当たりのいい2階にすることでした。家の正面には広い庭があり、裏側にはリビングルームとベッドルームにつながった日当たりのいいテラスがあります。パントリー、ウォークインクローゼット、地下の倉庫など、収納にも重点を置いたことで、満足のいく家づくりとなったそうです。

 

ストックホルム郊外、エリザベス・トルブルン/Elisabeth Thorburnさんのご自宅2

エリザベスさんの自宅には広い庭があり、2014年に家が建ったころに比べて木々や植物や芝生も育ち、庭としての形が整ってきました。地下の倉庫やテラスもようやく仕上がってきたので、そろそろ庭を整える時期にきています。日本に何度か訪ねたことのあるエリザベスさんは日本が大好きで、春に見た桜が忘れられず、庭にも桜の木を植えています。庭の一部を日本風にアレンジしようと計画していて、今年の春から本格的な庭づくりにとりかかるそうです。
エリザベスさんの家は玄関が1階にあり、玄関ホールの横の階段を登ってリビングルームに上がります。2階は日当たりがよく、室内に太陽がさんさんと降り注ぎます。リビング、ダイニング、キッチンが一体化した広々とした設計は、最近のモダンな家によく見られ、エリザベスさんも気に入っています。キッチンはアイランド型で、料理をしながら家族の姿や外の様子が見えて開放感があります。ウォークインのパントリーはとても広く、全ての食料品を収納することができます。インテリアを全て新しくできるのは新築の醍醐味で、エリザベスさんはモダンとアンティークが調和したインテリアを目指しました。小物は自分で作ったものやいただいたもの、家族から受け継いだものなど、家族の歴史が刻まれています。家を建てることはまさしく家庭をつくること。その家族ならではの形が作られていきます。

 

スウェーデンの歴史的価値のある家にフォーカスしたサービス「Historiska Hem/ヒストリスカヘム」

今回は、「ヒストリスカヘム(歴史的な家)」という、1970年以前に建てられた住宅物件のみを扱っている不動産仲介サービスをご紹介します。多くのサービスが、住まいの大きさや周辺環境、利便性などの情報のみを提供するのに比べて、ヒストリスカヘムはその建物の歴史的価値に焦点を当て、ひとつひとつの住宅にどのような歴史的なストーリーがあるのかという情報を提供します。

例えば、1958年に建てられたラジオハウスと呼ばれるタウンハウスは、ミッドセンチュリー時代にラジオ局関係者が多く暮らしたことでからその名がついたそうです。造りや壁紙などのインテリアも、ミッドセンチュリー好きにはたまりません。また、1903年に建てられたストックホルム市内にある集合住宅は、18世紀のアンティークなタイルで仕上げられた暖炉が特徴で、キッチンやバスルームは現代的に改装されています。そして、18世紀に建てられた歴史的建造物の家は、スウェーデンを代表する絵本作家エルサ・ベスコフの映画にも登場した有名な家で、ていねいに維持されており当時の特徴がそのまま残されています。
このようなサービスが提供されることにより、歴史的な価値のある家が見い出され、そこに暮らすことでその価値を次世代に引き継ぎ、ていねいに暮らしていく人が増えていきそうです。

 

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

山本由香
山本由香(デザインコンサルタント)
1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。