コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第85回
フィンランド西海岸、エリーナ・レベシュさんのお宅1

今回は、北欧の人々にご自宅を紹介していただきます。

エレーナ・レベシュさんは、フィンランド西海岸の築100年以上の一軒家にお住まいです。建物のいちばん古い部分は築150年にもなるため、修理が必要な箇所がところどころにあるそうです。室内は両親や祖父母から受け継いだフィンランド製の家具があちこちに見られ、食器やガラス器もアラビアやイッタラといったフィンランドブランドがお気に入りです。

エリーナさんは夫のラーシュさんとふたり暮らしのため、普段の食事はダイニングルームやキッチンで取ることが多いそうです。家の中心にはリビングルームがあり、中央に置かれたテーブルは、独立した娘たちが帰ってきた時や来客の時に使っています。天井から吊るされたペンダントライトはアアルト夫妻の名作「ゴールデンベル」、椅子もアアルトの「チェア66」です。右側のイケアの食器棚には、お気に入りの北欧食器が収納されています。

リビングルームの奥には古い暖炉があり、寒くなると火を入れているそうです。暖炉の近くにはラーシュさんのお母さまから受け継いだ1960年代のフィンランド製のロッキングチェアがあり、エリーナさんにとってのミューシグな(居心地がよくリラックスできる)スペースで、ここにすわって暖炉の火を見ながら、静かなひとときを楽しんでいます。

 

フィンランド西海岸、エリーナ・レベシュさんのお宅2

独立したキッチンには、1929年の鋳鉄製の古いクッキングストーブがあります。実際にここで調理をすることはありませんが、寒い冬の朝に火を入れて、キッチンを温めているのだそう。キッチンの窓際には小さなテーブルがあり、平日の朝食はここで取ることが多いそうです。

キッチンのとなりのテラス添いにはダイニングルームがあり、休日の朝はゆっくりと時間をかけてダイニングルームで朝食をいただきます。最近はコロナ禍で家にいる時間が長くなり、気分によってキッチンやダイニングルームで食事を取っています。ラーシュさんはパンを焼くのが得意で、焼き立てのパンを朝食にいただく日が増えたそうです。キッチンにはストリングの棚があり、アラビアなどの食器を飾っています。

お天気のいい日には、テラスに出て食事をいただきます。フィンランド西海岸は、4月の初めごろまでまだ雪が積もっていますが、春になるとテラスで過ごす時間がぐっと増えます。庭にはりんごの木があり、春には花が咲き、秋になるとたくさんの実がなります。家で過ごす時間が長くなったことで今まで以上に庭仕事に精を出し、春から夏にかけて花や木が成長していく姿を見るたびに心も元気になります。

 

バルコニーの楽しみ方

スウェーデンの集合住宅に必ずといっていいほど設けられているのが、バルコニー。特にストックホルム市内は一軒家が少なく集合住宅ばかりなので、それぞれのバルコニーを眺めるのも楽しいひとときです。

スウェーデンの人々は、春から秋にかけてはここで花を育てたりフィーカをします。太陽の光が当たるバルコニーで花を育てる人は多く、花の成長を見ながら季節を感じます。そして、冬にはイルミネーションを飾ります。特に真っ暗な冬にやさしく光るバルコニーのイルミネーションは、見る人の心を癒してくれます。バルコニーは外からもよく見える場所なので、人々はいかに美しく見せるかに気を配ります。

冬の長いスウェーデンでは、冬の間にわずかでも太陽が照れば、人々はその光を浴びようとするので、バルコニーの椅子にすわって、毛布に包まりながら太陽の光を浴びている人の姿もよく見かけます。

お天気のいい日にバルコニーでいただくフィーカは格別です。育てている花を愛でながら、ホームメイドのシナモンロールやクッキーがあれば、完璧なフィーカタイム。これから暖かくなってくるので、バルコニーでのお手軽フィーカの出番が増えてきそうです。

 

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by Sweden House
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スウェーデンハウス公式サイト

山本由香
山本由香(デザインコンサルタント)
1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。