コラム from Sweden
12ヶ月のおいしい話

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
スウェーデン料理のレシピ。

第137回
Stekt inlagd strömming(ステークト・インラグド・ストローミング)

スウェーデンでは小ぶりのニシンを料理に使うことが多く、代表的なものに甘酢漬けのニシン「sill(スィル)」があります。日本では生食ができるニシンの入手が難しいため、私はスウェーデン風のニシン料理を作る際にはイワシを代用しています。

ステークト・インラグド・ストローミングも本来はニシンで作る料理ですが、今回大きめの真イワシを使って作りました。この料理は、揚げた魚を甘酢につけるので、日本の「南蛮漬け」によく似ています。南蛮漬けはもともとヨーロッパから伝わった料理とされていますが、ライ麦の粉をまぶして焼くことと、ハーブの「ディル」をたっぷり使うところは北欧らしい特徴と言えるでしょう。爽やかさをプラスするため、レモンの輪切りも一緒に漬け込みました。

今回のレシピでは、スウェーデンの一般的な食べ方に倣い、ライ麦のクリスプブレッドにのせてオープンサンドにしましたが、デンマーク風のライ麦パンやバンズに挟んで「イワシバーガー」にしても美味しくいただけます。

[材料] 3〜4人分

【漬け酢】
穀物酢または米酢 200ml
水 50ml
グラニュー糖 120g
塩 小さじ1/3
オールスパイス(粒) 6~7粒
紫玉ねぎ 1/2~1個
レモン 1個
ディル 少々

【イワシステーキ】
イワシ(中骨を取って開いたもの) 8枚
ディル 1~2パック
ライ麦粉(粗挽きか中挽) 50g
塩 小さじ1
ブラックペッパー 小さじ1
バター 大さじ2

作り方

1.
(漬け酢を作る)
鍋に酢、水、グラニュー糖、塩、オールスパイスを入れて火にかけ、砂糖が溶けたら火から下ろし冷ます。
2.
ディルはつけ汁に入れる分を少し残しておいて、葉の部分だけ大きめのみじん切りにする。紫玉ねぎは2~3mmの厚さに切っておく(切り方はお好みで輪切りにしても、縦に薄切りにしてもよい)。レモンはよく洗い、3~5mmの厚さの輪切りにする。
3.
まな板の上にイワシの皮の部分を下にして置き、分量の一部の塩、ブラックペッパーを切り開いたイワシに軽くふりかける。まず1枚のイワシにディルのみじん切りをたっぷりのせて、別のイワシを身の部分が重なるよう上から被せて挟み込む。それぞれ2枚組のセットを4つ作る。
4.
広めのバットなどにライ麦粉を広げ、残りの塩とブラックペッパーを混ぜ合わせる。
5.
③で作ったイワシ2枚組のセットを④のバットに中にいれて少し押すようにイワシの両面にライ麦粉の衣をしっかりとつける。
6.
フライパンにバターを溶かして、衣のついたイワシの両面を焼く。中火で片面3分ずつくらいで中まで火が通り綺麗な焼き目がつきます。
7.
保存容器や深めの皿に①の漬け酢を注ぎ、紫玉ねぎとレモンのスライスを入れて少し混ぜる。そこに⑥の焼き上がったイワシを熱いまま入れて漬け、冷蔵庫で半日~1日冷やす。
8.
クネッケブロード(ライ麦のクリスプブレッド)の上にイワシの甘酢漬けを乗せていただく。一緒に漬け込んだレモン、紫玉ねぎ、ディルをトッピングするとより美味しくいただけます。

*クネッケブロードはIKEAでも販売されています。そのほかにもKALDIでは東ヨーロッパ製のクリスプブレッドもいくつか売られています。
*クリスプブレッドやライ麦パンでなくても、バーガーバンズやホットドッグ用のパン、バゲット、普通のパンに挟んで食べても美味しくいただけます。バゲットに挟むと北欧風バインミーになりそうです。自由にアレンジを考えて挑戦してみてください!

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
見瀬理恵子(イラストレーター)
奈良県出身。パレットクラブイラストスクール1期生。
デザイン事務所勤務を経てフリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。
1995年より通算13年間スウェーデンに在住、2013年に帰国。
帰国後はスウェーデン料理のケータリング事業を始める。
Fika(スウェーデンのコーヒータイム)のワークショップをとおして北欧文化を発信中。
https://www.riekomise.com/
https://www.instagram.com/spisen_jp/
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