コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第89回
アイスランドのレイキャヴィークに家族と暮らすインギビョルグ・ハンナ・ビャルナドッテ/ Ingibjörg Hanna Bjarnadóttirさんのご自宅1

北欧・アイスランドの家 インギビョルグ・ハンナ・ビャルナドッテさんのご自宅

北欧の人々にご自宅を紹介していただくコラム、今回は、アイスランドのレイキャヴィーク郊外のタウンハウスに5人家族で暮らすハンナさんのご自宅です。ハンナさんはアイスランドならではの大自然をモチーフにしたインテリア雑貨ブランド「Ihanna Home」を運営しています。ハンナさんが暮らすタウンハウスは、アイスランドの有名な建築家Sigvaldi Thordarson/シグヴァルディ・ソーダルソンによるもの。アイスランドのあちこちで見られる彼の建築スタイルは独特で、1963年に建てられたこのタウンハウスにも使われている「シグヴァルディの青」と呼ばれる色が特徴なのだそうです。ハンナさん一家は2019年に引っ越してきましたが、シグヴァルドが建築した家に暮らすことはステイタスであり、ハンナさんもこの家を手に入れたことをとても誇りに思っています。

タウンハウスは5棟が連なっていて、広い庭を共有しています。一軒ごとに分けると小さな庭になってしまうところ、共有にすることで広々とした庭になり、子どもたちものびのびと遊ぶことができます。庭をみんなで管理しているため、隣人とはまるで家族のような関係性です。
テラスに近い庭にはレッドカラント(赤スグリ)やルバーブ、ハーブなどお気に入りの植物を育てています。実はこのタウンハウスはアイスランド映画「Under the tree」のロケに使われたこともあり、アイスランド国内ではちょっと有名なのだそうです。映画のテーマはなんと隣人同志の争いですが、ハンナさん家族は隣人たちととても仲良く暮らしています。

ハンナさんのウェブサイトIhanna Home
https://www.ihanna.net/en/

 

アイスランドのレイキャヴィークに家族と暮らすインギビョルグ・ハンナ・ビャルナドッテ/Ingibjörg Hanna Bjarnadóttirさんのご自宅2

北欧・アイスランドのインテリア インギビョルグ・ハンナ・ビャルナドッテさんのご自宅

ハンナさんが暮らすタウンハウスは、アイスランドの有名な建築家Sigvaldi Thordarson/シグヴァルディ・ソーダルソンによるもの。2階建てのタウンハウスは1階にメインベッドルームと子ども部屋があり、2階にリビングルーム、ダイニングルーム、キッチンがあります。ダイニングルームとリビングルームは段差のあるオープンスペースで、仕切りとして棚や植物を置いています。シグヴァルディ建築を意識したインテリアにこだわり、タウンハウスが建てられたミッドセンチュリー時代の家具が主流です。ダイニングルームには、キッチンにつながる小さな窓のある造り付けの棚があり、料理などを運ぶのに便利です。この棚はおそらくシグヴァルディがデザインしたのだろう、とハンナさんは考えています。タウンハウスが建てられた1963年当時はこのような造り付けの家具が流行っていたそうで、デザイン性が高くて使いやすく、ハンナさんもとても気に入っています。ダイニングテーブルや椅子などの家具は祖父母から譲り受けたり、セカンドハンドで手に入れたものが多いそうです。古い家具を受け継ぐ文化は、アイスランドでも大切にされています。インテリアの参考になるのは、家具の色使いです。木製のテーブルや棚に黒い椅子やシステム家具を合わせることで、統一感のある落ち着いた空間になり、そこにハンナさんがデザインしたクッションやブランケットを置いて、インテリアに変化をつけています。

ハンナさんのウェブサイトIhanna Home
https://www.ihanna.net/en/

 

「美しいTOKYO」10人の北欧デザイナーが奏でる江戸の型染め

北欧各地で活躍するデザイナーが作り出す、暮らしの中から生まれる様々なパターン。これらを
日本で製品化し、コレクション展開しているのが「スカンジナビアン・パターン・コレクション(SPC)」です。

SPCではこれまでに日本手ぬぐいや食器、刺し子、茶道具という4つのプロジェクトを行ってきましたが、今回新たに東京都の助成事業として「江戸更紗」に挑戦しました。厳選された北欧デザイナーと伊勢の型紙職人、東京の染工場がじっくりと時間をかけ、手仕事によって実現したプロジェクトです。

「更紗」とは、インドで生まれ、ヨーロッパやアジアに渡り、それぞれの国や地域で発展していった木綿のプリント生地のことで、エキゾチックな色と文様は、世界中の人々を魅了しました。北欧のプリント生地も、その原点はインドの更紗にあります。古くから染織文化を持つ日本においても更紗は人々を魅了し、江戸時代の町人文化のなかで、植物や鳥獣などの文様を多色表現した型染め生地として発展しました。

今回のプロジェクトでは、これらの共通点を持つ北欧と日本をつなぎ、2020年の東京オリンピックを想定して、北欧デザイナーたちに「美しいTOKYO」をテーマにした江戸更紗のためのデザインを描いてもらいました。東京に来た経験のある人からない人まで、このテーマにインスピレーションを得た28名のデザイナーよって40点以上のデザインが提出され、その中から10点を厳選し、職人の手仕事によって江戸更紗の反物が仕上がりました。ところが、新型コロナウイルス感染拡大によりオリンピックの延期が決定したため、このプロジェクトのイベントも中止を余儀なくされ、2021年10月現在でも正式な発表の機会を失っています。

ここで皆様に10点のデザインをご紹介しましょう。それぞれのデザインについては、SPCの公式サイトで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
https://www.scandinavianpatterncollection.com/tokyo

今後、本格的な発表の機会が実現され、皆様にご覧いただけることを心から願っています。

 

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by Sweden House
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スウェーデンハウス公式サイト

山本由香
山本由香(デザインコンサルタント)
1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。
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