コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第46回
年明けのクリスマスが終わる日

花火とシャンパンの乾杯とともに新年が明けました。日本ではクリスマスの翌日にすべてのデコレーションが片付けられますが、スウェーデンではクリスマスが過ぎても新年が明けても、クリスマスの余韻が続きます。すべてのデコレーションが片付けられるのは、クリスマスから20日目となる1月13日です。「Tjugondedag Jul/シューゴンデダーグ・ユール」と呼ばれるこの日に片付けるのは17世紀ごろから続く風習で、この日にはあちこちにモミの木が積み上げられているのを見かけます。本来はクリスマスツリーを片付ける際に、ユールボックなどワラ細工のクリスマス飾りを一緒に焚き上げ、その年の幸せを願ったそうです。日本でもお正月に飾られた門松やしめ縄を小正月の1月15日に集めて燃やされる「どんと焼き」で無病息災を祈りますが、その土地の幸せを願う伝統文化は、どこも似ているのかもしれません。この日を境に、各家庭の窓辺に飾られたクリスマススターやキャンドルも一斉に取り除かれるため、どこか寂しい気持ちになりますが、新しい年の始まりを感じる日でもあります。
写真:1月13日に、デコレーションを終えて積み上げられたクリスマスツリー

真冬の乗り切り方

冬の北欧暮らしでもっとも辛いのは、太陽がほとんど照らないことです。室内はいつも暖かく、機能的な防寒着が整っているため、寒さ自体はそれほど辛くありません。しかしながら、太陽が照らない辛さは暮らしてみなければ実感できないかもしれません。日の光を浴びられないために体調を崩す人も多く、医者から太陽の照る国への短期滞在を勧められます。人気の高い国はタイや南欧ですが、3時間ほどで行かれる南スペインのコスタ・デル・ソルにはスウェーデン村と呼ばれる地域があります。比較的物価の安い南欧ではスウェーデンよりも生活費がかからないため、年金生活者の間でコスタ・デル・ソルにアパートを購入する人が増えているそうです。現地にはスウェーデンの不動産会社の支店もあり、住宅購入を手助けしています。コスタ・デル・ソルは、北欧、フランス、ドイツ、アメリカなど海外からの訪問者が多く、この地域の経済発展と人口成長にとってはなくてはならない存在になっています。スウェーデンの田舎にサマーハウスを持つように、今後は南欧に別宅を持つ人が増えていくかもしれません。
写真:1月の南スペインのコスタ・デル・ソルの景色

北欧最大級のインテリアフェアFormex

2018年1月17日から20日まで、ストックホルムメッサで北欧最大級のインテリアフェア「Formex」が開催されました。今回のテーマは、しばらく続いた「北欧/Nordic」というキーワードがなくなり、「ワールド・オブ・シェイプ/A world of shapes」となりました。イギリスのポップアーティスト、デイヴィッド・ホックニー/David Hockneyからインスピレーションを得たテーマだそうです。デイヴィッド・ホックニーは、現在はカリフォルニア州ロサンゼルスを拠点として活動していますが、1960年代よりポップアート運動にも参加し大きな影響を与えたイギリスの20世紀の現代芸術を代表する1人です。「ワールド・オブ・シェイプ」は、デイヴィッドのポップアートからヒントを得て、太陽のイエロー、サンゴのコーラルピンク、ライラックパープル、草原のグリーン、ターコイズブルーなどの元気いっぱいで鮮やかな色が、フェアの会場を彩りました。外は雪が積もり色彩もほとんどない季節に、人々に元気とエネルギーを与えてくれそうなテーマで、会場を訪れる誰もが暖かい気持ちになったそうです。
写真:2018年のFormexのテーマ「「ワールド・オブ・シェイプ」
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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

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山本由香
ライター:山本由香(デザインコンサルタント)
1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。