コラム from Sweden
北欧の暮らし
ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。
写真:3月2日に誕生されたOscar Carl Olof王子
最近は日本でもFika(フィーカ)という言葉を見かける機会が増えました。フィーカとは、簡単にいえばスウェーデンのコーヒータイムのことで、コーヒーにあう焼き菓子が必ず振舞われることがフィーカの条件です。近隣国デンマーク人もスウェーデンに来てこの習慣に驚いたというくらいですから、やはり独特な文化といえるでしょう。仕事場には必ずフィーカルームがあり、フィーカタイムも勤務時間に組み込まれています。また、来客時には必ずフィーカのおもてなしから始まります。プライベートタイムを大切にするスウェーデン人にとって、勤務時間内でお客様を接待し、親睦をはかる機会としてもフィーカは恰好の場になります。
もちろんプライベートでもフィーカは憩いのひとときです。気の置けない友人や家族とコーヒーを飲みながら美味しい焼き菓子を味わう特別な時間です。
フィーカの歴史は1910年にまで遡りますが、1950年代にはまだ主婦が多かったスウェーデンで、家庭でお菓子を焼く習慣が一般的になりました。そして女性が社会で活躍している現在でも、料理は男性に任せて、デザートやフィーカ用の焼き菓子を担当する女性は少なくありません。
写真:カフェでfika
春の始まりはどこの国でも同じ。冬の残りの寒さと始まったばかりのあたたかさの間を行ったり来たりする日々が続きます。スウェーデンでもこの時期は、びっくりするほど温度差のある不安定な気候です。春分の日を境に日は長くなるものの、木々はまだ葉っぱをつけ始めたばかり。地面には花が咲き始め、芝の緑色もどんどん鮮やかになってくる中、4月最後の日は各地で春の大焚き火が行われます。もともとはキリスト教の行事だったのですが、今では古いものを燃やし新しい季節「春」を迎える行事として人々に受けとめられています。
またこの日は、5月に高校を卒業する生徒たちが卒業式にかぶる帽子を授与される日でもあります。18歳で成人になるスウェーデンでは、卒業式が終わると大人の世界へ、新しい人生の始まりです。大学では終了の行事が行われ、大学の街ウプサラやルンドでは、この帽子をかぶった学生たちが春の歌を歌い、朝まで飲み明かすのだそうです。
これらのイベントが終わると、スウェーデンはいよいよ春本番を迎えます。
写真:大きな炎を囲んで大勢の人が集まるウーリクスダール城の焚き火