コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第33回
クリスマスを待つアドベント Advent

クリスマス前の4週間は、キリストの降誕を待ち望む期間でアドベントと呼びます。4週間を意味する4本のキャンドルを立てたアドベントキャンドルを準備し、毎週日曜日にキャンドルに1本ずつ灯をともしていきます。2016年は11月27日が第一アドベントとなり、この日からクリスマスの準備が始まります。
窓に吊るした星形の照明は、アドベントの星と呼ばれ、アドベント初日に飾られます。赤を基調としたカーテンやテーブルクロス、キャンドルなどで部屋中がクリスマスを迎える雰囲気でいっぱいになります。窓辺にはポインセチアはもちろん、真っ赤なアマリリスもクリスマスの花として飾られます。アドベント期間中の週末には友人を招き、スパイス入りのホットワイン「Glogg(グロッグ)」を楽しむパーティーを開き、クリスマスを楽しみに待ちます。

写真:グロッグパーティー

ルシア祭 St. Lucia

1年で一番暗いこの時期、北部地方では何日も太陽が昇らない極夜が続きます。幻想的で神秘的なおとぎ話のような景色とはうらはらに、現実は想像以上に厳しい日々なのです。そんな暮らしの中で、光の聖人を祝うお祭りSt.Lucia(サンタ・ルシア)祭が12月13日に行われました。ルシア祭はもともとキリスト教の聖人である聖ルシアを祝うクリスマスの一連の行事ですが、「ルシア」がイタリア語で「光」を意味することから、現在北欧諸国では「闇に光をもたらす聖人」としてお祝いします。13日の朝は一家の長女が白いドレスを着て、頭にキャンドルを立てた冠をかぶり、「サンタ・ルシア」を歌いながら、サフラン入りのパンとジンジャークッキーを両親の寝室まで届けます。学校や幼稚園でも朝早くからルシア祭が行われ、教会ではコンサートが開かれます。
12月10日に行われたノーベル賞受賞者の宿泊先にも、13日の早朝は聖ルシアがお祝いに現れたそうです。
暗い日々の中、光に包まれた華やかなイベントは、人々の心まで明るくする一日となります。

写真:保育園のルシア祭

【ルシア祭の様子】
https://youtu.be/vl6o4mG25Ec?list=RDvl6o4mG25Ec

クリスマスを待つ日々

クリスマスまであと何日? いよいよカウントダウンが始まる慌ただしい日々になりました。
12月はスウェーデン人が1年中で一番たくさん買い物をする月です。クリスマスプレゼントを買うためにお金を貯めるというくらい、スウェーデン人にとってクリスマスプレゼントは重要な物なのです。スウェーデンではクリスマスに家族親戚が一同に集まりお祝いをし、集まった人全員にプレゼントを用意するので、親戚の多い家族は大変です。ちいさな子どもたちもそれぞれ手づくりの贈り物を用意し、両親や祖父母にプレゼントします。イヴが近づくとクリスマスツリーの下にはプレゼントの包みが山のように積み上げられます。子どもたちは待ちきれず、包みを揺らしてプレゼントの中身を想像し、イヴの日を心待ちにします。子どもたちにとっては、どんなに小さな物でもたくさんあったほうが嬉しいので、ワンペアーの靴下や絵本も1冊ずつプレゼントの包装にしてあげます。大人でもプレゼントはたくさんあったほうが嬉しいですよね!

写真:クリスマスプレゼントを楽しみにする子ども

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by Sweden House
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見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
ライター:見瀬理恵子(イラストレーター)
大阪総合デザイナー学院ファッションデザイン科卒。ペーター佐藤、安西水丸、原田治、新谷雅弘氏に師事。デザイン事務所勤務を経て、フリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。1995年ー2000年と2006年から7年間スウェーデンに在住し、娘二人の成人を期に2013年9月に帰国。