コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第19回
秋の楽しみ

りんごの季節

りんごの季節

 

日本では実りの秋と言いますが、スウェーデンでも同じく秋は実りの季節。
郊外に建つ一軒家の庭には必ずりんごの木が植えられていて、秋にはたくさんのりんごが実ります。
実りすぎて処分に困るほどですが、たくさん実ったりんごはそのままいただくだけでなく、ジャムにして保存します。スウェーデンには木曜日にパンケーキをいただく習慣がありますが、パンケーキにはりんごのジャムが欠かせません。作り方は簡単で、皮をむいて種を除いたりんごに好みの量の砂糖と水を加え、レモンの絞り汁を入れて煮込むだけ。
アップルパイやりんごケーキは、この季節のフィーカの定番です。

写真:りんごの木に囲まれたガーデンカフェ

コロニーロットの収穫祭

コロニーロットの収穫祭

 

レンタルガーデンのコロニーロットやガーデンパークでは、この時期、秋の収穫祭が開かれます。
通常は利用者しか入れないコロニーロットが一般公開されて、利用者が丹精を込めて育てた自慢の花々やサフトと呼ばれる手作りシロップ、手作りジャムなどが販売されます。
コロニーロットを持つ人々は、雪解けの春先に少しずつガーデニングの準備を始めます。畑を耕して種を蒔き、夏には芽が出て花々が育ってきます。秋はコロニーロットの終盤の季節であり、慈しんで育てた花々が散るまでの日々を楽しみます。
10月は少しずつ寒くなり、日照時間もだいぶ短くなってきますが、晴れた日には外でも過ごすことができ、冬までの間、目一杯コロニーロットを堪能します。

写真:一般公開されたコロニーロット

ベーカリー&チョコレートフェスティバル

ベーカリー&チョコレートフェスティバル

 

毎年10月には、ノーベル賞晩餐会のデザートを担当しているカリスマパティシエ、マグヌス・ヨハンソン氏主催のベーカリー&チョコレートフェスティバルが開催されます。元々はマグヌスさんがパリのチョコレートフェスティバルに感銘を受け、パティシエ仲間のトニー・オルソンと2002年にスウェーデンで開催したのが始まりです。メインイベントは、パティシエ・オブ・ザ・イヤーのコンクールで、候補者たちの実演が会場を盛り上げます。会場には、スウェーデン中のチョコレートショップが一堂に会して販売するため、チョコレート好きには見逃せないイベントです。
カフェでは新しいメニューのスイーツが食べられ、甘いもの好きの訪問客で終日賑わいます。

写真:チョコレートフェスティバルのスイーツ

秋を彩る紅葉

秋を彩る紅葉

 

暗くて寒い冬が始まる前のほんのひととき、まるで自然からのご褒美のように、それは見事な紅葉が街中を彩ります。
スウェーデンにはメープル(カエデ)の木が多く、急に空気が冷えるため、真紅や黄金に色づいた木々が見られます。北欧では春から秋が半年ほどで、残りの半年はダウンジャケットが手放せない冬並みの気候になります。そのため、春から秋にかけての美しい季節をひとつも見逃すことのないよう、毎日を大切に過ごします。
少しでも太陽が輝いていれば、毛布をまとってでも外で過ごして太陽の光を浴び、これからやってくる長い冬に備えます。
美しい紅葉を見ていると、春から秋まで楽しませてもらった自然の恵みに対して感謝の気持ちが湧いてきます。

写真:ストックホルム、セーデルマルムの紅葉

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

山本由香
ライター:山本由香(デザインコンサルタント)
1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。