コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第165回
「Hemtrevlig」手を動かして暮らしをつくる— スウェーデンのDIY帖 ①Altanを作ろう!

着工前の家の東側部分。朝から午前中にかけて太陽が当たる場所です。

Altan(アルタン)=ウッドデッキは、家まわりのDIYプロジェクトとしてスウェーデンでとても人気があり、自分で建てる人も少なくありません。夏の前に作り始める人が多いため、時期によってはホームセンターで材料が品切れになることもあります。

見た目はシンプルそうですが、基礎をしっかりと作り、傾きがなく平らになるよう水平を出しながら進めるのは意外と難しい作業です。大切なのは、計画を立て、適切な材料を選び、順序よく丁寧に進めていくこと。まずは地盤を確認し、地中にセメントのベースを作るところから始まります。

地面を掘り、そこに石を敷き詰め、紙製の円柱形の筒(型枠)を立ててセメントを流し込みます。セメントが固まる前に、コの字型の金具を埋め込みます。そのコの字部分に、根太(ねだ)となる材木を縦に差し込んでいきます。

穴は50cm間隔で掘ります。掘っていると出てくる石など、使えるものは何でも活用します。

ストックホルムは岩盤質の土地のため、思わぬところで大きな石に遭遇することも。
そんな場合は石に直接穴を開けて、そこにセメントを流し込むなど、柔軟な対応が求められます。

60cm間隔で設置された根太の上に、床板を並べていきます。木材は湿気で膨張して反るため、雨が流れやすいよう隙間を3〜6mmほど空けて設置します。木の中心に近い側を上向きにし、木材同士の継ぎ目は揃えず、互い違いになるように配置します。設置場所の湿度などによっても仕上がりが変わるため、後から調整することもあるそうです。

要所要所でしっかり計測しながら、丁寧に作業を進めていくことが大切です。

悪天候や雨風に耐え、長年快適に使えるaltanを作るには、圧力処理された屋外用パイン材(防腐加工済)を使うのが一般的。

木材の継ぎ目は揃えず、互い違いになるように配置。木材の端は最後に切り揃えます。

側面を同じ材で覆って目隠しにする方もいますが、わが家では枝や薪を収納しています。

小さな家に住んでいると、altan(ウッドデッキ)のありがたさをしみじみ感じます。
夏の間は、まるでもう一つのリビングルーム。altanを拡張した年の夏には、子どもの誕生日会もここで開催しました。

altanがあると、秋の半ばごろまで外での時間を快適に楽しむことができます。


Movie: Akechi Naoko

最後にご紹介するのは、ダーラナ地方にお住まいのフォトグラファー、Camilla Dahlinさんのaltan。キャスター付きのバーテーブル、ラウンジソファセット、ピザ窯などが揃った、まさに夢のようなアウトドア・リビングダイニングは、ご夫婦で一から作られたのだそうです。
ヘリンボーン柄の美しい床や、altan全体を包み込むイルミネーションなど、細部まで行き届いたデザインは本当に見事。林檎の花が満開になる季節には、まるでおとぎ話の中のお家のようです。


お家のインテリアやお庭に関する素敵な投稿がいっぱいのCamillaさんのInstagram(@greatshotsbynumber10)、ぜひフォローして覗いてみてくださいね!

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

明知直子
千葉大学教育学部卒業後、IDÈEにて家具販売とインテリアコーディネートに携わる。2007年にスウェーデン北極圏の街キルナへ留学。その後ストックホルムで写真を学び、現在はストックホルム郊外の群島アーキペラゴ在住。書籍や雑誌記事の執筆·撮影、日本とスウェーデンに関わるプロジェクトや企画のコーディネートを生業とする。
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