コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第162回
フィンランド西海岸のヤコブスタードに家族と暮らすヨハンナ・ヘグヴェグ/Johanna Högvägさんのご自宅1

北欧・フィンランドの家 ヨハンナ・ヘグヴェグさんのご自宅1

北欧の人々にご自宅を紹介していただくコラム。今回は、フィンランド西海岸にあるヤコブスタードで4人家族と暮らす、イラストレーターのヨハンナ・ヘグヴェグさんのお宅をご紹介します。

ヨハンナさんは、音楽プロデューサーのご主人と、16歳と13歳になるふたりのお子さんと暮らしています。ヨハンナさんたちはこれまで20年近く、庭付きの一戸建てに住んできました。戸建てでの暮らしは快適でしたが、広い庭の手入れなど、維持に時間がかかります。子どもたちも成長してきたことから、もっと気軽で都会的な暮らしをしてみたくなり、2024年に職場や学校に近い市街地の集合住宅へと引っ越しました。

1951年に建てられたその集合住宅には、高い天井、暖炉、ヘリンボーンのフローリングなど、その時代の建物ならではの魅力が残されていました。こうした「古き良き50年代のディテール」をできる限り残したいという思いから、リノベーションやスタイリングの一部は自分たちの手で行いました。

この集合住宅は傾斜地に建てられており、一方は3階建て、もう一方は2階建てという構造。玄関も2つあり、ひとつは共用の正面入り口、もうひとつはヨハンナさん一家専用のプライベートな階段を通って入る入口です。そのため間取りは正方形ではありませんが、そうした個性的な点もとても気に入っているそうです。ダイニングとリビングのヘリンボーンのフローリングはすべて磨き直し、明るい色に仕上げました。ウッドフロアに白い壁という組み合わせは、スウェーデンハウスでも好まれる、北欧らしいインテリアスタイルです。

シンプルで洗練された空間づくりを心がけているヨハンナさんは、基本的にモノトーンをベースにインテリアを整えています。中でも、玄関ホールの壁に選んだサーモンピンクの色は、家に足を踏み入れた瞬間に温かみを感じさせるアクセントとなっています。
 

フィンランド西海岸のヤコブスタードに家族と暮らすヨハンナ・ヘグヴェグ/Johanna Högvägさんのご自宅2

1950年代に建てられたこの集合住宅は、長年にわたって丁寧にリフォームされてきました。ヨハンナさんたちが購入したときも状態はとても良好でしたが、「自分たちらしさ」を取り入れたいという思いから、大規模な改装に踏み切りました。

キッチンとダイニングの間の壁を取り払い、全ての部屋を塗り替えるなど、大きな変化を加えました。キッチンは、50年代の雰囲気を感じさせるクラシックなスタイルにしたいと考え、プランニングはすべて自分たちで行いました。キャビネットは壁から天井までしっかりと設置し、収納力を高めつつ、空間全体に重厚感と高級感を持たせています。

自分たちが手がけたどの部屋にもそれぞれの個性がありますが、特に気に入っているのがリビングとダイニングのエリアです。アルテックの照明、ヴィンテージの椅子、壁に飾られたアートなどは、色のバランスや配置にもこだわってレイアウトしています。

リビングルームのカーペットは、フィンランドのブランド「FINARTE」のもの。デザインはSaana ja Olli(サーナ ヤ オッリ)による「DYYNI」というシリーズで、美しい色合いが部屋にグラフィック的なアクセントを加えてくれます。「我が家の自慢のひとつ」とヨハンナさん。

フィンランドのティーンエイジャーの間でKポップが人気とのこと。10代の娘さんは「ENHYPEN」のファンで、部屋には彼らのプロマイド写真をセンスよく飾っています。趣味とインテリアが自然に融合したその空間は、大人にとってもヒントになりそうです。
 

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

ブルセリド山本由香(デザインコンサルタント)
1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2002年に初の北欧デザイン情報サイト「スウェーデンスタイル・コム」を創設し、北欧デザインやライフスタイル情報を日本に紹介。現地デザイナーとのネットワークがあり、MUJIスウェーデンのプロジェクトに関わる等、日本と北欧の架け橋として活躍中。日本向けの北欧パターン事業Scandinavian Pattern Collectionの現地代理人を務める。