コラム from Sweden
北欧の暮らし
ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。
北欧の人々にご自宅を紹介していただくコラム、今回はストックホルム市内の集合住宅に暮らすエヴァ・シルト (Eva Schildt) さんです。
エヴァさんはプロダクトデザイナーとして活躍し、日本のインテリアショップ「アクタス」のプロダクトデザインの経験もある、日本に馴染みの深い人です。私も20年くらい前からの知り合いで、今回久しぶりにご自宅の取材をさせていただきました。
ストックホルム中心地にある1917年に建てられた集合住宅は、凝った内装や古いエレベーターがそのまま残る歴史を感じる建物です。エヴァさんはこの家で、夫のマーティンさんと10代のふたりの娘たちと暮らしています。2007年に引っ越してきた時には、キッチンまわりのリノベーションを行いました。収納と冷蔵庫とオーブンが一体になった棚を廊下の壁に備え付け、キッチンは水まわりと調理場のみの広々とした造りに仕上げました。壁と一体になった収納棚に冷蔵庫があるようには見えませんが、スウェーデンでは冷蔵庫がインテリアに溶け込んでいる家が多いのです。キッチン以外は引っ越してきた当時のままで、特にフロアは1917年代の名残のあるヘリンボーン模様です。広めのダイニングルームとリビングルームの間には引き戸があり、このような建築スタイルも100年以上前の住宅によく見られます。大きな家具はマーティンさんが持っていたものが多く、エヴァさんがデザインした家具も置かれています。温かみのある色合いのクッションはエヴァさんが選んだり手作りしたものです。
エヴァさんのウェブサイト
https://www.evaschildt.se/
取材に伺う際に「動物が多い家よ」と言われて楽しみに訪ねたところ、オーストラリアン・シェパード犬とウサギとハムスターを飼っているとのことでした。上の娘がウサギを、下の娘が2匹のハムスターをそれぞれ自分の部屋で飼っています。室内のあちこちに草を敷いたトレイが置かれていたのはウサギのためのものでした。
そんな動物好きなエヴァさん宅は動物がインテリアのアイコンであり、窓辺や棚などに動物の小物が飾られています。また、壁にはいくつもの絵画があり、そのほとんどはマーティンさんが揃えたものです。知り合いが描いた絵画であったり、有名になる前のアーティストの絵画であったり、アート好きなマーティンさんのセンスが伺えます。絵画は人物像が多く、顔の向きが窓の方を向くように配置しているそうです。ダイニングルームの男性の人物像はマーティンさんのデンマーク系の祖先であり、なんと童話作家アンデルセンの親友だったそうです。
エヴァさん宅のこだわりは人と動物の共生です。実際にいろいろな動物を飼い、あちこちに人物像の絵画と動物を飾り、本人たちの優しさも感じられる、温かい気持ちになるインテリアです。
エヴァさんのウェブサイト
https://www.evaschildt.se/