コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第125回
スウェーデン街めぐり 夏休み版/ゴットランド島

城壁の街ヴィスビュー。遺跡として残るSt Katarina教会。

みなさん、こんにちは。明知直子です。
今回は、スウェーデン街めぐり 夏休み版として、スウェーデン各地の風景をご紹介します。
バルト海に浮かぶ島ゴットランドは、ストックホルムからフェリーで3時間の場所にあるスウェーデン最大の島です。人口は約6万人ですが、スウェーデン人が夏のバカンスを過ごす場所としても人気で、サマーハウスを所有するストックホルムっ子も多く、ハイシーズンには世界中から旅行者も訪れます。


Video:Akechi Naoko

街の中心部のVisby(ヴィスビュー)は城壁に囲まれ、歴史ある大聖堂や中世の街並みが残り、素敵なレストランやカフェやお店がたくさん。そしてゴットランド島といえば、薔薇が有名です。これは、1800年代の終わりに、島にやってきたガーデニング好きの聖職者の女性が、牧師館に薔薇を寄付したことから広まったのだそう。(彼女の名前がそのまま品種の名前にもなっているのだとか。)
城壁内の通り「Fiskargränd」や「Skogränd」はとりわけ見事に咲く薔薇が人気の路地です。夏至のあたりから咲き始める薔薇を眺めながら、可愛らしい家が立ち並ぶ石畳の小道をお散歩するだけで、物語の中に迷い込んでしまったような気持ちになります。

 

ヴィスビュー近郊の移動には、レンタサイクルもおすすめ。手付かずの自然が残っていることも魅力の一つで、実はヴィスビューの城壁から外側にあたる場所にも、見どころはたくさんあります。島の北部にあり、芸術家に愛された場所フォールエー島では特に美しい石灰岩のラウク(奇岩群)も見られ、島の至る所に美しいビーチもあり、ヴィスビューから車で20分の大人気のビーチToftaや、東岸に位置し、数キロ続く砂浜が美しいLjugarnなどが人気です。ぜひレンタカーでビーチへ行ったり、道すがら蚤の市を訪れ、一週間くらいのんびりと滞在するのがおすすめです。


Video:Akechi Naoko

スウェーデン街めぐり 夏休み版/エーランド島

北部東岸の砂浜のビーチLyckesand Strand。家族連れでのんびりしながら過ごせます。

こちらは北部西岸のビーチ。水温は低いですが、その分爽快でとっても気持ちいいのです。

「太陽と風の島」と呼ばれるエーランド島は、可愛らしい風車が立ち並ぶスウェーデンで2番目に大きな島。一番大きな島はゴットランド島ですが、エーランド島はより素朴で、ありのままの多様な自然が残されています。南北に細長い島で、長さは約130km、横幅は一番広い場所で15km。北と南では景色が大きく違い、そこかしこに見所があり、島めぐりが楽しい素敵なところです。

 

まず最北の場所には、風が強く吹くことから曲がりくねった植生になった松の森「Trollskogen(トロルの森)」があります。東側の美しい砂浜と西側の透明度の高い岩場の海岸など、50を超えるたくさんのビーチがあるので、その日の気分で泳ぐ場所を決められるのも魅力の一つ。名所も各エリアにあり、ボーリホルムの城跡、先史時代の遺跡や、南部に広がる「Stora Alvaret」と呼ばれる石灰岩に覆われた平原、2000年にユネスコ世界遺産に登録された「南部の農業景観」、「ニルスの不思議な旅」にも登場する最南端の自然保護区には灯台もあり、野鳥を観察出来る施設もあります。

Kroppkakor。お店では茹でたてを頂けます。

エーランド島の郷土料理といえば、じゃがいもを使った「クロップカーカ」。じゃがいもと小麦粉で出来たお団子の中に豚肉が入っており、溶かしバターのソースに生クリームをかけてコケモモのジャムと一緒に頂きます。1700年代にはすでにエーランド島の郷土料理として存在していたそう。シナモンやクローブのスパイスが効いていて、癖になる素朴な味わいがあります。

「クロップカーカ」のレシピは、12ヶ月のおいしい話の第31回でご紹介しています。
ぜひお試しくださいね。
https://mjuk.swedenhouse.co.jp/recipe/recipe_1610/

スウェーデン街めぐり 夏休み版/南スウェーデン オステルレーン地方

朝の水浴びの定番Vitemöllaの港。

ストックホルムから南に600km、車で6時間半ほどの南スウェーデン東側にあるエリアはオステルレーンと呼ばれており、美しいビーチ・豊かな食文化・風光明媚な景色が広がる素敵な場所です。

 

オステルレーン地方は白い海岸線に囲まれ、素晴らしいビーチもたくさんあります。気候も暖かく肥沃な土地が広がっていることから農業も盛んで、ストックホルムにはない豊かな食文化があることでも知られています。牛乳やチーズを販売する酪農家の方や、農家の方が運営するオーガニックの野菜直売所も多く、地産地消が息づいているのを感じます。滞在中、地元のパン屋さんに朝食用のパンを買いに行き、産みたての卵を塩胡椒で目玉焼きに。とれたてのイチゴを新鮮な牛乳と砂糖でいただくシンプルな朝食の美味しさに感動!
昔ながらの漁港の面影が残るBrantevikやりんごの郷で有名なKivikなど、いろいろな見所があり、何度訪れても新しい魅力を発見出来る場所です。
多くの芸術家がこの地に魅了され、またストックホルムっ子でこの地にサマーハウスを持つ人も多く、素敵なお店やカフェなども多いことから、自然だけではなく洗練された文化を体験したい人にもぴったりの場所です。

昔ながらのスコーネ地方のお家に泊まれるDrakamöllanではお食事も格別。

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

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明知直子
千葉大学教育学部卒業後、IDÈEにて家具販売とインテリアコーディネートに携わる。2007年にスウェーデン北極圏の街キルナへ留学。その後ストックホルムで写真を学び、現在はストックホルム郊外の群島アーキペラゴ在住。書籍や雑誌記事の執筆·撮影、日本とスウェーデンに関わるプロジェクトや企画のコーディネートを生業とする。