第39回
Sveriges Nationaldag(スウェリエス・ナフォナルダーグ) スウェーデン・ナショナルデー
ゴールデンウィークやシルバーウィークなど、日本には祝日がたくさんありますが、スウェーデンには祝日がほとんどありません。多くはキリスト教の行事で、それ以外の祝日には、元旦とメーデー、そして6月6日のナショナルデー※があります。
ナショナルデーにはストックホルムにある王宮が入場無料となり、たくさんの人が訪れます。野外博物館「Skansen(スカンセン)」ではナショナルデーを祝うコンサートが開かれ、王室のメンバーが招かれます。国王夫妻をはじめ王女や王子は、王宮からスカンセンまでの5kmの道のりを馬車に乗ってパレードし、沿道は王室ファミリーを一目見たいと願う人たちでうめつくされます。また市庁舎では、その年に国籍を得て国民となった人たちをお祝いするセレモニーが執り行なわれます。
ナショナルデーには、旬のイチゴをデコレーションしたミニケーキでFikaをする習慣があります。またこの日に、「smorgastarta(スモルゴストータ)」と呼ばれるサンドイッチケーキを食べてお祝いする人も多いそうです。
※ナショナルデーとは…
1523年のこの日、建国の父とも言われるグスタフ・ヴァーサがスウェーデン国王に就任したことと、1809年の同じ日に憲法が制定されたことから、1983年正式にこの日が「ナショナルデー」と定められました(北欧の暮らし第27回コラムより)。
写真:王宮からスカンセンまで馬車でパレードする国王夫妻
Rosendals tradgard(ローゼンダールズ・トレードゴード) ローゼンダールガーデン
緑が勢いよく生い茂る6月は、スウェーデンの短い夏のはじまり。 大自然の中で、心も身体も解放してエネルギーを充電する季節です。
スウェーデンには、夏を思いっきり楽しめる場所がたくさんありますが、それは首都ストックホルムも例外ではありません。「Rosendals tradgard (ローゼンダールガーデン)」もそのひとつ。 ストックホルムの中心地からトラム(路面電車)に乗って15分足らずの所にあり、広大な敷地には畑や果樹園があります。
敷地内には大きな温室が建っていて、その中がカフェやショップになっています。ショップでは石釜で焼いたパンや、ここで収穫された野菜や果物やお花が売られており、カフェではこれらの材料を使ったオリジナルメニューのケーキやサンドイッチが大人気です。広い果樹園には林檎の木がたくさん植えられていて、お天気の良い日はピクニックを楽しむ人でいっぱいになります。太陽が遅くまで沈まない6月は、日没までのんびりと過ごせる最高の場所となります。
写真:お天気のよい日は外でFikaする人たちでいっぱい
Midsommar(ミッドソンマル) 夏至祭
スウェーデンでは、クリスマスと並び最も大きなイベントが夏至祭「Midsommar(ミッドソンマル)」です。夏至祭には「Midsommarafton(ミッドソンマルアフトン)」と呼ばれるお祝いをし、2017年は6月23日がその日にあたります。
夏至祭は地域ごとに行われ、広場には白樺の枝と色とりどりの草花で飾り付けられたメイポールが立てられます。中でもダーラナ地方の伝統的な夏至祭は特に有名で、国内はもちろん世界中から大勢の観光客が集まります。
スウェーデン国内でも、メイポールの形や民族衣装は地方によって異なりますが、「Sma grodorna(スモーグロードナ)ちいさなカエル達」という歌を歌いながら、メイポールの周りを跳ねたり踊ったりするのはどこも同じようです。
夏至祭のもうひとつのシンボルは、草花を束ねてつくる「midsommarkrans(ミッドソンマルクランス)」という花の冠です。この日はどこへ行っても、手づくりの花の冠を頭に被った人たちに出会います。
ストックホルムでは、野外博物館「Skansen(スカンセン)」で毎年夏至祭のお祝いがあり、この日だけは無料で入場することができます。夏至祭は、1年中で一番陽気なスウェーデン人を見ることの出来る1日かもしれませんね。
Glad Midsommar! (夏至祭に掛け合う言葉。この時期はグリーティングカードにもこのように書きます。)
写真:スカンセンの夏至祭のイベントで、メイポールを立てるところ。
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スウェーデンハウス公式サイト
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