コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第17回
8月の風物詩

ザリガニの解禁

ザリガニの解禁

 

日本では夏まっ盛りの8月ですが、スウェーデンでは夏至を過ぎて日照時間も短くなり、少しずつ秋の気配を感じる季節になりました。
8月の風物詩といえば、ザリガニパーティ。スウェーデン語ではKraftskiva/クレフトフィーバと言い、ザリガニ漁の解禁日が8月であった名残から、この時期にザリガニをいただく習慣があります。現在は冷凍のザリガニが年中出回っていますが、やはりこの季節の獲れたてのザリガニの味は格別です。ザリガニがデザインされた三角帽、紙エプロン、ナプキン、紙皿、太陽の形をした提灯など、ザリガニパーティ用のグッズを飾ってパーティを盛り上げます。「酔っ払いの歌」と呼ばれる定番の歌を歌った後に、アルコール度数40度を超えるスウェーデンのお酒アクアビットをミニグラスで乾杯するのが習わしです。

写真:野外で行われるザリガニパーティ

国産の旬の恵みが並ぶ、産地直送市

国産の旬の恵みが並ぶ、産地直送市

 

冬の長い北欧では、国産の野菜は大変貴重なものです。ストックホルムでは、8月から10月の土曜日に、国産の有機野菜の産地直送市が開かれます。値段は少々高めですが、朝早くからたくさんの人々で賑わいます。販売される全ての商品は、「生産農家が明示されていること」と、「直送市から250km以内にある近くの農家で生産されたもの」という2つの条件があります。トマトやキュウリは毎回ありますが、ブルーベリーは8月、甘いトウモロコシは9月、カボチャは10月というように、その時期でしか採れない旬の野菜や果物が並ぶため、市が開催される3ヶ月の間に店頭に並ぶ野菜が変わっていきます。毎週何が売られているのかを確かめるのも、市を訪れる楽しみになります。

写真:多くの人で賑わう産地直送市

森の恵み、ブルーベリー摘み

森の恵み、ブルーベリー摘み

 

8月から9月にかけて、森の地面を這うようにブルーベリーが実をつけます。スウェーデンには自然享受権(allemansratt/アッレマンスレット)という、「土地の所有者に損害を与えない限り、自然環境の享受を認める権利」があるので、森に生えているベリーやキノコ類は誰でも自由に採っていいのです。 小指の頭ほどの小さなベリーの実があちこちに成り、必死で摘んでいると腰が痛くなってしまうほど。新鮮なブルーベリーは実がしまっていて、口に入れるとプチッとはじける食感があります。たくさん摘み取ったベリーは、朝食のシリアルに入れたり、ジュースにしたり、ジャムにしたり。新鮮なベリーをたっぷりいただけるのは、この季節ならではです。

写真:森でのベリー摘み

パークシアターのパフォーマンス

パークシアターのパフォーマンス

 

ストックホルムではいつでも気軽にオペラや観劇が楽しめますが、特に無料で楽しめるパークシアターは夏限定の人気パフォーマンスです。スウェーデンのパフォーマーだけでなく世界各地からも本格的なダンス、バレエ、ミュージカル、オペラがやってきます。本格的な王立バレエやオペラが公演されることもあり、そのときには広い野外ステージに立ち見がでるほどの人気となります。 青空の下で観るパフォーマンスは開放感があって気持ちよく、ビールやワインやおつまみを持参して、ピクニック気分で楽しめるのも野外ならでは。パフォーマンスは夕方19時から始まり、21時近くになってもまだ明るい北欧の晩夏を、華やかに締めくくります。

写真:野外ステージでのパフォーマンス

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

山本由香
ライター:山本由香(デザインコンサルタント)
1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。