コラム from Sweden
北欧の暮らし
ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。
スウェーデンのクリスマスは、12月25日から4週間前の日曜日にあたるアドベント初日から聖クヌートの日である1月13日まで続きます。(この日は列聖クヌート(Knut Lavard)が亡くなった日にちなんでいるという説があり、Knutの名前の日でもあります。)2015年のアドベント初日は11月29日で、この日に4本のアドベントキャンドルの1本目に火を灯します。その後、毎週日曜日に1本ずつキャンドルを灯し、4本目が灯されるとクリスマスがやってきます。アドベント初日を皮切りに、人々はクリスマスの準備にとりかかります。アドベントスターと呼ばれる大きな星と、山型のキャンドルを窓辺に飾り、すっかり暗くなった12月を明るく彩ります。スウェーデンのクリスマスに欠かせないのは、ワラ製のヤギ「ユールボック」と、素朴な衣装を身につけたちょっとシャイな顔をした「ユールトムテ」です。どちらもクリスマスシーズンの守り神として、家庭や街中で見かけます。
写真:4本のアドベントキャンドル
光の祭典と呼ばれるルシア祭は、12月13日の聖ルシアの日に行われます。12月13日は旧暦の冬至にあたり、この日を境に日が長くなることを祝う古来からの信仰と、光の聖人である聖ルシアにちなんでいます。学校や教会ではルシアコンサートが開かれ、キャンドルの冠をかぶったルシアに扮した女の子を先頭にしたルシア行進が始まります。「Stjarngosse(シャーンゴッセ)」と「Tarna(ターナ)」たちが、サンタルシアやクリスマスキャロルを合唱します。ルシアの日には、ルーセキャットというサフラン入りのパンとジンジャークッキー、ホットワインのグロッグ※をいただき、ひとあし先のクリスマス気分を味わいます。
写真:ルシア祭の合唱
街中で開かれるクリスマスマーケットを訪れるのも、12月の楽しみのひとつです。店先にはホットワインのグロッグ※やトナカイの薫製、ユールボック、クリスマスオーナメントなどが並びます。ストックホルムで人気の高いクリスマスマーケットは、伝統的な雰囲気を体験できる野外博物館のスカンセンと、旧市街ガムラスタンです。18世紀のたたずまいの残るガムラスタンは、静かに灯るキャンドルやイルミネーションの光が美しい街です。スウェーデンの典型的な木造家屋と同じファールンレッド(ベンガラ色)の赤い屋台がいくつも連なり、クリスマスのお菓子やオーナメントなどが彩りを添えます。
写真:ガムラスタンのクリスマスマーケット
クリスマスの時期になると、レストランでは「ユールボード」というクリスマスディナーが始まります。干したタラを漬け込んで煮たルートフィスク、マスタードやパン粉をまわりに塗って焼いたクリスマスハム、お米とミルクとシナモンで作られたおかゆなどが並びます。メインはクリスマスハムです。これは昔、豚の丸焼きがメインだった名残で、豚をかたどったジンジャークッキーもたくさん出まわります。ユールボードの食べ方には順序があり、まず塩漬けのサーモンやニシンの酢漬けなどのオードブルから始め、次にハムやテリーヌなどをいただきます。その後にヤンソン氏の誘惑やミートボールなどの温かいメニューに移り、最後はデザートで締めくくります。
写真:家庭のユールボードでも、クリスマスハムがメイン
※グロッグについてはこちらをご覧ください。
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