コラム from Sweden
北欧の暮らし
ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

冬が長く、寒い季節には1日の大半を室内で過ごすスウェーデン。だからこそ、太陽の光を浴びる夏は、心と体にとって大切な「エネルギーチャージ」の時間になります。
まだ肌寒さの残る4月でも、サンルームやバルコニーで日光浴を楽しむ人が増え、庭や温室に花を植えたり、野菜の種をまいたりと、春から夏への季節の準備が始まります。庭の枯れ葉や枝を片付けながら、屋外で過ごせるスペースを整える人の姿もよく見られます。夏休みには、そうした空間でゆったりとした時間を楽しむのがスウェーデン流の贅沢です。

Altan、Terass、Trädäckの違い
屋外スペースには様々な呼び方があります。たとえば「Altan(アルタン)」「Terass(テラス)」「Trädäck(木製デッキ)」「Veranda(ベランダ)」「Balkong(バルコニー)」など。それぞれに明確な定義があるわけではありませんが、一般的な使い分けとして、以下のような違いがあります。
・Altan:語源はラテン語の「Altus(高い)」。住宅の1階から直接つながる、地面より一段高い位置に設置された屋外スペース。多くの場合ウッドデッキで作られ、室内の延長として使用されます。建築物と一体化しているため、敷地の境目から4.5m以内には建ててはいけないといったルールや、建物の印象を著しく変えてしまう場合等には建築許可が必要となる場合もあります。

・Trädäck:木製のデッキで、必ずしも住宅とつながっている必要はなく、庭の一部として独立して設置されることもあります。

・Terass:語源はラテン語の「terra(土地)」で、比較的地面に近い位置にある屋外スペース。あるいは、2階以上の建物の場合、1階部分の屋根に作られることも。屋根がないことがほとんど。手すりがあることが多い。Altanと同じような意味で使われるようです。
・Veranda:屋根のある屋外スペースで、地上階に設置され屋内から出入りできる構造が多く、雨天時でも過ごせるのが特徴。低めの手すりがある。

・Balkong:集合住宅などの上層階や、戸建ての2階以上にある張り出し式のバルコニー。

※語感には個人差もあるようです。
アルタンはもうひとつのリビングルーム
スウェーデンでは、Altanはとても人気があり、庭まわりのDIYプロジェクトの第一歩として取り組む人も少なくありません。地面からやや高い位置にあり、室内の床と段差なくつながっているAltanは、リビングの延長として認識され、夏になるともうひとつの「屋外のリビングルーム」に変わります。
ハンモックで読書をしたり、家族や友人とフィーカを楽しんだり、子どもたちが水遊びをしたり。白夜の空の下で夕食を囲むこともあります。そんな日常の中で、Altanはスウェーデンの人々にとって、心を癒してくれる大切な空間になっているのです。

