コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第129回
スウェーデン、ストックホルムの集合住宅に暮らすニクラス・シロウ(Niklas Silow)さんご夫妻のご自宅1

北欧・スウェーデンの家 ニクラス・シロウさんのご自宅
北欧の人々にご自宅を紹介していただくコラム、今回はストックホルム市内の環境に配慮された地域ハンマルビーショースタッド/Hammarby Sjöstadの集合住宅に暮らすニクラス・シロウ(Niklas Silow)さんとレーナさんご夫妻です。

ハンマルビーショースタッドは「ハンマルビー湖の街」という意味を持ち、湖に沿って洗練された集合住宅が立ち並んでいます。1990年代からエコシステムの住宅地として建設が進められ、ストックホルム水道局、電力会社、ゴミ処理機関が共同で「ハンマルビーモデル」と呼ばれるエコサイクルを開発し、街全体でオーガニックリサイクルを実現しています。生ゴミは専用のゴミシューターで分別してコンポストとして再利用され、ゴミを燃焼する際に発生する熱は暖房に利用されたり、バイオガスとしてキッチンで再利用されています。

湖の近くに暮らす人々は個人所有のボートを持つ人も多く、ニクラスさんたちも夏の間はボートを自宅の前の湖に停泊させ、週末や夏休みにはストックホルム群島にあるサマーハウスまでボートで訪れています。おふたりはハンマルビーショースタッドに集合住宅が建てはじめられたばかりの2001年に、見晴らしのいい最上階を手に入れました。内装が暗めだったためまずは壁を白く塗り替え、ウッドフロアのラッカーも取り除いてオイルを塗り、マットな床にしました。白樺の窓枠は、バルコニー側は黒に、室内は白に塗り替えました。リビングとダイニングの壁を取り除くことで、開放感のあるリビングダイニングルームとし、広いバルコニーにもソファーを置いて、寛ぐスペースにしています。
 

スウェーデン、ストックホルムの集合住宅に暮らすニクラス・シロウ(Niklas Silow)さんご夫妻のご自宅2

北欧・スウェーデンのインテリア ニクラス・シロウさんのご自宅

ニクラスさんは現役を引退して悠々自適の生活を送っていますが、レーナさんはメディアの編集長として忙しく働いています。おふたりはメディア企業の職場で出会い、その後ベニスで結婚式を挙げました。それ以来ベニスはよく訪れる街となり、ベニスで買ってきた仮面のコレクションが壁に飾られています。ご夫妻は海外旅行が大好きで、インドやタイで見つけた木彫りの動物や人形が目を惹くインテリアになっています。大きな木彫りの動物は、インドから船ではるばるスウェーデンまで送ったのだとか。家に着くまでのいろいろな騒動も含めて、忘れられない思い出となっているそうです。

壁の一面には家族の歴史とも言える写真や絵が飾られ、ニクラスさんはここを通るたびに思い出にひたっています。スウェーデンの家庭には、必ずと言っていいほど家族の思い出の写真などが飾られたコーナーがあります。子どもが小さい時にちょっと描いた絵をフレームに入れて飾れば、いつまでも特別な思い出として残すことができます。ここには、絵が得意だったおばあさまが描いた家族の肖像画も飾られていて、ニクラスさんの親世代が子どもだったころの姿を見るのは感慨深いものがあるようです。家具にも思い入れがあり、気に入ったものがあれば、海外から送ってもらうことも。家にある全てのものにストーリーがある暮らしは心が温まります。
 

Share
by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

ブルセリド山本由香(デザインコンサルタント)
1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2002年に初の北欧デザイン情報サイト「スウェーデンスタイル・コム」を創設し、北欧デザインやライフスタイル情報を日本に紹介。現地デザイナーとのネットワークがあり、MUJIスウェーデンのプロジェクトに関わる等、日本と北欧の架け橋として活躍中。日本向けの北欧パターン事業Scandinavian Pattern Collectionの現地代理人を務める。
静けさ体感フェア