コラム from Sweden
北欧の暮らし
ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。
ランチタイムの食べ放題のケーキ、カット前/カット後
近年、日本でも注目を集めているスウェーデンの哲学を表す言葉「lagom(ラゴム)」。スウェーデンでの暮らしの基本はこの言葉にあります。「ラゴム」とは、「自分にとってちょうどよい」を意味し、その感覚は一人ひとり異なります。
ランチタイムにスープとケーキの食べ放題を提供しているスウェーデンのとあるカフェで、美しいホールケーキが時間が経つごとに無残にカットされていくのが気になっていました。見た目を重視する日本人からすると、前もってキレイにカットしておけばいいのにと思ってしまいますが、スウェーデン人はいい意味で合理的。その時に自分が食べたい分だけをホールケーキからカットするのがいいのです。見た目よりも自分に合った量の方が重要なのは、「ラゴム」を徹底しているからです。
「ラゴム」は、その人にとってちょうどよい加減のことで、ケーキでいうと自分がどれくらい食べたいか、それを自分で決めることに心地よさがあります。こんなふうに他人と比較するのではなく、自分を主体にしてちょうどよい加減がわかってくると、世の中がとても生きやすくなります。なぜなら、物事の決定権が常に自分にあると、自分にとって居心地のいい暮らしができるからです。
スウェーデン人の気質を表す「ラゴム」のように、デンマークには、好きな人たちと一緒に心地のよい暮らしを楽しむ「ヒュッゲ/Hygge」や、フィンランドには、粘り強く、容赦のない意志力や忍耐力、不屈の精神を持つ「シス/Sisu」という表現があります。それぞれが北欧の人々の気質を表していて、北欧といっても国によって異なる国民性を知るための興味深い言葉です。
▼ラゴムについてもっと知りたい方はこちら
Lagom ラゴム|ミュークの扉|スウェーデンハウス (swedenhouse.co.jp)