コラム from Sweden
北欧の暮らし
ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。
北欧の人々にご自宅を紹介していただくコラム、今回はストックホルム市内のKマークの集合住宅に暮らすアン・シャロッテ・リッデルストルペ (Ann Charlotte Ridderstolpe)さんです。
アン・シャロッテさんとは20年近く交流があり、2010年に出版した書籍「ストックホルムのインテリア」の際にも取材させていただきました。その後も10年以上同じ住宅に暮らしており、その間に建物全体がリノベーションされたとのことで、今回久しぶりに訪ねてみました。
アン・シャロッテさんが暮らす集合住宅は、文化と歴史的価値のある建物に使用される「Kマーク」という総称がついています。1940年代の住宅建築の指導的な地位を占めていたバックストレム&レイニウス(Backström & Reinius)建築事務所が1937年に初めて設計した建物で、当時の目標は適正な価格で良好な居住環境を構築することでした。使いやすい間取りの集合住宅は独創的でエレガントで、チーク材の出窓を備えた赤レンガのファサードの外観デザインが特徴です。住民だけがアクセスできる中庭もあり、当時のスウェーデンの住宅建築の中では最高の環境を備えていました。今ではストックホルムのセーデルマルムにあるSOFOのど真ん中という人気エリアとなり、20代の息子2人を含む5人家族で仲良く暮らしています。
アン・シャロッテさんのウェブサイト
https://www.mingladesign.se/
アン・シャロッテさんは、74平米2LDKの住宅に20代の息子2人と15歳の娘、夫との5人で暮らしています。ご家族がこの住宅に引っ越してきたのは2007年で、当時はふたりの息子もまだ幼く、娘はまだ生まれていませんでした。子どもたちが成長した今では2つのベッドルームで5人が暮らすのは手狭ながら、ひとつはふたりの息子が子どものころからシェアし、もうひとつは娘と夫婦のベッドルームとして使っています。2022年に大規模なリノベーションが行われ、全ての住民が半年間ほど引っ越しました。改装後はキッチンの窓が大きくなり、窓を開けるとまるでバルコニーのような開放感があります。フロアの素材はオリジナルのままですが、磨かれてピカピカになりました。キッチン収納や調理台はチーク材が使われ、ていねいな仕事が施されています。文化的にも貴重な建物の価値を高めたリノベーションは、2024年のストックホルム・ビルディング・オブ・ザ・イヤー賞にノミネートされました。アン・シャロッテさんはスタイリストであり、イケアやスウェーデンの著名な家具デザイナー、ブルーノ・マットソンのストックホルムにあるショールームのスタイリングなどを手がけています。テキスタイルのデザインもしており、住宅には彼女がデザインしたカーテンやクッションが飾られています。部屋のところどころにあるオブジェも、プロならではの工夫が感じられます。
アン・シャロッテさんのウェブサイト
https://www.mingladesign.se/