コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第48回
いち早く春を見つける

スウェーデンの3月は、まだ雪が積もっているところもあり、春の訪れには少し早い季節です。雪が溶けて太陽が暖かく感じることもありますが、大雪が降る可能性もあり、まだまだ防寒着が手放せません。湖の表面は凍ったままで、もうしばらくは氷上のウィンタースポーツを楽しむことができます。気温は低くても、太陽があたりを暖かく照らすと、人々は待ってましたとばかりに外に繰り出して日光浴を楽しみます。春を先取りし、これからやってくる美しい季節に思いを馳せて、幸せそうに太陽に顔を向けて暖かさを感じます。雪が解けた地面には、春の兆しを告げる草花が顔を出しはじめます。蝶や様々な虫の姿を見かけるようになると、春がもうそこまで来ていることを実感します。草花は地面を這うように咲きながら、美しい色彩を放ちます。それまで土と雪と枯れ木の乏しい色彩であった世界が色づきはじめます。草木が芽吹き、小さな生命が息づいているのを感じると、まるで冬眠から目覚めたかのように、私たち自身にも元気がみなぎってきます。

写真:日光浴をする人々

ヴィクトリア王太子、名前の日

スウェーデンには誕生日とは別にもう1日、その人のお祝いをする日があります。スウェーデンのカレンダーには毎日聖人の名前が書かれていて、その名前を持つ人に小さなお祝いをするという習慣があるのです。
この習慣はキリスト教のカレンダーに由来し、昔は生まれた日の名前をそのまま名付けたこともあったそうです。3月12日は現王太子と同名のヴィクトリア/Viktoriaの日です。それにちなんで、ヴィクトリア王太子について少しご紹介しましょう。国王一家の長女であるヴィクトリアは王位継承権第1位であり、次のスウェーデン女王となります。気さくな人柄が人気で、スポーツトレーナーであったダニエル氏と結婚し、今では6歳のエステル王女と2歳になったオスカル王子の4人家族です。家族の睦まじい写真はたびたび報道され、微笑ましい姿を見せてくれます。2017年ののクリスマスには、雪の中で普段の装いの4人の写真が公開されました。特に2人のかわいい盛りの王女と王子の人気は高く、これからの成長を多くの国民が楽しみにしています。

写真:国王、ヴィクトリア王太子、エステル王女のポートレート

北欧ガーデニングフェア

3月も後半になってくると、春を感じるイベントが増えてきます。春から秋にかけてスウェーデンの人々が夢中になるのがガーデニングです。今年はどんな花を植えようか、と考えている人たちに人気なのが、この季節に開催されるガーデニングフェアです。中でも大規模な北欧ガーデニングフェア/Nordisk Tradgardarは訪問者の多いイベントで、2018年は3月22日から25日にストックホルムメッサで開催されました。ガーデニングフェアの目玉は、その年のゼラニウムの発表と、バルコニーのアイデア展示です。バルコニー展示は一般訪問者の人気投票により、フェアの最終日にベスト・バルコニーが発表されます。マンションやフラットに暮らす人々にとって、バルコニーがガーデンの役割を果たします。バルコニーを美しくアレンジすることが春の楽しみとなり、今年のトレンドとアイデアを見に、多くの人々がガーデニングフェアを訪れます。また、フェアの初日に発表されるその年のゼラニウムは会場でもさっそく販売され、その年最も人気の高いゼラニウムとなります。

写真:北欧ガーデニングフェア

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

山本由香
ライター:山本由香(デザインコンサルタント)
1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。