コラム from Sweden
北欧の暮らし

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
時季折々の北欧のコラム。

第4回
スウェーデンの食文化

スウェーデン風おもてなし

スウェーデン風おもてなし

 

長い冬を家の中で過ごす北欧のライフスタイルでは、明るく楽しい空間を住まいに取り入れることがとても大切です。必然的に衣食住の中の『住』に比重がおかれます。それに加えスウェーデンではレストランでの食事が高価な事もあり、お客さまを自宅に招いて肩ひじ張らない食事でおもてなしをすることが一般的です。
そして心地よい空間と時間を共有することを楽しみます。だから調理の為に長く席を離れるようなお料理はあまり好まれません。お客さまを迎えてからお料理をオーブンに入れ、前菜を食べ終わる頃にちょうどオーブンに入れたメイン料理が出来上がるという、合理的なメニューが一番!
スウェーデン料理は前菜、メイン、デザートの3品で構成されノーベル賞受賞晩餐会でさえ、この3品のメニューで振舞われます。

夏の定番料理

夏の定番料理

 

春から夏にかけての定番メニュー「バーベキュー」。
バーベキューはスウェーデンでは「グリル」と呼ばれます。
週末にゆっくり庭で楽しむグリルはもとより、公園やアパートの中庭でもちゃんと専用のスペースが設けられています。
夏時間になると、仕事を早く終えピクニックすることも珍しくありません。
スーパーではグリル用にマリネされたお肉が所狭しと並べられ、その横ではカラフルなハンディタイプのミニグリル用コンロも売られています。車での出勤時にミニグリルを持ってでかければ、仕事帰りにスーパーでマリネされたお肉と出来合いのポテトサラダ、サラダバーから好きな野菜をピックアップして、公園で立派なディナーを楽しむ事もできます。
こうして、太陽のもとで過ごす時間を大切にするのが北欧流夏のライフスタイルです。

アウトドアな生活

アウトドアな生活

 

暗い冬が終わり日差しが少しあたたかくなると、北欧の人たちの生活スタイルは途端にアウトドアライフにスイッチします。
日焼けを避けようと努力する日本人には考えられないくらい、北欧の人たちは太陽の光を求めて外に出、身体いっぱいにその光を受けます。
街の広場では、太陽に向かって置かれたベンチでひなたぼっこする人たちでいっぱいになります。もちろん、「ランチはオープンカフェで!」。
最近の集合住宅では広いバルコニーが人気です。
ガーデニングを楽しむだけでなく、庭やバルコニーは夏の間のLDKに替わるのです!花やグリーンに囲まれたテーブルで朝食をとり、1日のスタートもここから始まります。
白夜の夏は夕食後もまだ明るく、太陽がゆっくり沈む夕暮れ時は特別な光と雰囲気に包まれます。薄暗くなったテーブルにキャンドルを灯し、チーズとワインで夏の長い夜を楽しみます。

最近の外食の傾向

最近の外食の傾向

 

スウェーデンでは『住』に比べて『食』に置かれる比重が低いとお話しましたが、料理本の数は多く、次から次へと出版されています。キッチンの棚にびっしり料理本が並んでいる家も多く、食に関心の高い人が増えてきました。
でも専業主婦のほぼいないスウェーデンでは普段調理にかける時間は驚くほど短く、夕食は焼くだけ、オーブンに入れるだけ、チンするだけの本当にシンプルなものが一般的です。レストランは高価で、そう度々外食するわけにもいきませんが、最近はちょとカジュアルなビストロ風のお店が注目されているようです。
有名レストランではBakfickan(バークフィッカン:後ろポケットという意味)という、予約なしでも気軽に入れる姉妹店を隣接するところも増えました。そして今ストックホルムでは、移動式ファストフードのフードトラックが街を賑わしています。

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by Sweden House
人と環境にやさしい住まい「スウェーデンハウス」。高い住宅性能を備えているからこそ叶えられる、快適で豊かな暮らしをご提供しています。

スウェーデンハウス公式サイト

見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
ライター:見瀬理恵子(イラストレーター)
大阪総合デザイナー学院ファッションデザイン科卒。ペーター佐藤、安西水丸、原田治、新谷雅弘氏に師事。デザイン事務所勤務を経て、フリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。1995年ー2000年と2006年から7年間スウェーデンに在住し、娘二人の成人を期に2013年9月に帰国。