コラム from Sweden
12ヶ月のおいしい話

ハウスメーカー【スウェーデンハウス】がお届けする、
スウェーデン料理のレシピ。

第10回
Semla(セムラ)
春を告げるお菓子

Semla(セムラ)

1月になるとスウェーデンのベーカリーやパティスリーにはシュークリームのような形のパンが並びます。
これは「Semla(セムラ)」とよばれるお菓子で、昔は復活祭の一連の行事である断食に備えてカロリーを蓄えておくために、断食が始まる前日の「Fettisdag(フェットティースダーグ): 懺悔の火曜日」と呼ばれる日に食べるものでした。今ではクリスマスが終わると、街中のお店が先を争って売り出し、最近はチョコレート味やブルーベリー味など、バリエーションが広がっています。メディアでは毎年、街のNo.1セムラが選ばれ、この時期のスウェーデンはセムラの話題でもちきりです。
春を告げる使者でもあるセムラは、北欧の人たちの心までたっぷり満たしてくれるお菓子なのです。
カルダモンの香りのパンにアーモンドペーストと生クリームをたっぷり詰めたセムラは、日本人にはちょっとボリュームがあり過ぎるので、ミニサイズにしてご紹介しましょう!

(参考)
「懺悔の火曜日」とは、復活祭直前の火曜日を指します。

材料(ミニセムラ16個分):通常の約半分の大きさで直径5~6cm

<パン生地>
生イースト(菓子パン用)  12g 
*ない場合はインスタントドライイースト7~8gを使用。
牛乳            125ml
ヨーグルト         50g
*スウェーデンではKesella(ケセッラ)というフレッシュチーズと生クリームが混ざった乳製品で作りますが、
日本では入手できないので、ヨーグルトで代用します。マスカルポーネチーズでも可!
バター           25g
塩             2g
カルダモン(パウダー)   小さじ1/2
グラニュー糖        35g
薄力粉           110g
強力粉           110g
*強力粉だけで220gでも良い。
溶き卵           1個 *つや出し用

<フィリング>
アーモンドペースト     125g *手に入らない場合<アーモンドペーストのレシピ>を参照。
牛乳            500ml
<デコレーション>
生クリーム         100ml
粉砂糖           適宜

Semla(セムラ)

作り方

1.
生イーストをボウルの中でくずし、人肌に温めた牛乳で塊がなくなるまで指で潰しながら溶かす。
2.
1)にヨーグルト、室温で柔らかくしたバター、塩、カルダモン、砂糖と小麦粉を混ぜてこねる。
*ドライイーストの場合は小麦粉に混ぜてから、他の材料と混ぜ合せてこねる。
3.
2)の生地をさらによくこね、ボウルに生地がくっつかなくなったら、濡れ布巾を被せて40分ほど発酵させる。(一次発酵)
4.
3)の生地が2倍くらいに膨らんだら、粉をふるった台の上に取り出し16等分する。
5.
両手のひらで押すように丸くまるめたら、乾いた布巾をかけて更に30分発酵させる。(二次発酵)
6.
オーブンを250℃に温めておく。
7.
5)の生地がふっくらと膨らんだら溶き卵を塗って250℃に温まったオーブンに入れ、約8分焼く。
8.
焼き上がったらオーブンから取り出し、少し冷めてから上の部分(1/4くらいのところ)をナイフで切りとる。カップになる部分は手で少しくり抜き、くり抜いたパンはフィリングに入れるので取っておく。
9.
くり抜いたパンの中身とアーモンドペースト、牛乳をフードプロセッサーで軽く混ぜ、フィリングを作る。
*フードプロセッサーがない場合はハンドミキサーか泡立て器で混ぜる。
*アーモンドペーストは後述のレシピを参照。
10.
8)でくり抜いたパンの穴に9)のフィリングを詰め、その上にしっかりとホイップした生クリームを絞り器で円を書くように絞り出す。
11.
8)で切り取った上の部分はそのままでもいいが、三角やハート形になるよう、端を切り落とし、帽子を被せるように絞り出した生クリームの上に乗せる。
12.
茶こし等で粉砂糖をふるいながらトッピングする。

<アーモンドペーストのレシピ>

*** 材料 ***
菓子材料の無塩ローストアーモンド   100g
粉砂糖                30g
グラニュー糖             45g
牛乳                 適宜

*** 作り方 ***
1)アーモンドは沸騰したお湯で1~2分茹で、少し冷ましてから、皮を剥く。
2)キッチンペーパー等で水気をとったら、材料の砂糖を入れフードプロセッサーにかける。
*アーモンドプードル(アーモンドの粉)があれば、それを利用すると簡単です。
3)硬さをみながら少しずつ牛乳を加えていき、パン生地くらいの硬さに仕上げる。

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by Sweden House
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見瀬理恵子(イラストレーター&フードアドバイサー)
ライター:見瀬理恵子(イラストレーター)
大阪総合デザイナー学院ファッションデザイン科卒。ペーター佐藤、安西水丸、原田治、新谷雅弘氏に師事。デザイン事務所勤務を経て、フリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。1995年ー2000年と2006年から7年間スウェーデンに在住し、娘二人の成人を期に2013年9月に帰国。